- イエローバタフライ
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- 価格
- 2,530円(本体2,300円+税)
- 発行年月
- 2023年09月
- 判型
- A4
- ISBN
- 9784065326640
[BOOKデータベースより]
この絵本には「言葉」がありません。泣き叫ぶ声も、嘆きや怒りの言葉も。だからこそ伝わってくるのです。言葉を超えた叫び、嘆き、怒り、絶望。そして―その果ての希望、平和への祈りが。
[日販商品データベースより]ボローニャ国際ブックフェアで話題を集め、アメリカ版も各書評で激賞されている、ウクライナの絵本です。
作者のオレクサンドル・シャトヒンは、ウクライナ在住のイラストレーター。彼の家はロシアとの国境近くにあり、現在も家族とともに避難生活を送っています。本書は、女の子の目を通した「戦争」を、言葉を使わずに描いています。
ウクライナの国旗の色である青と黄色、さらには絶望と恐怖を表す黒、そして「命」の象徴である蝶によって、絶望の果てにも希望を見いだそうとする人間の姿を、どんな言葉にもまして胸を圧する力で表現しています。
文字がないことによって、読者は絵からこの絵本の物語を自分で紡いでいきます。
ウクライナで起きている悲劇の報に慣れてしまってきている私たちに、「戦争」を情報ではなく、自分の身にも起こりうるものとして感じさせる力をもっています。
【アメリカ版の書評】
「挑発的で力強く、息をのむほどに美しい」Kirkus Reviews
少女の目を通して戦争を描いた言葉のない絵本。青い空を背景にした黄色い蝶を象徴として、そこに希望を見いだしていきます。彼らの国旗の色を使って、オレクサンドル・シャトヒンは、ウクライナで起きている戦争への感情を深くゆすぶります。そして戦争の悲惨な現実から、平和と未来の希望の場所へと旅する際に考えるべき、強力な視覚的メタファーに満ちた物語をわたしたちに託してくれました。
ロシア軍の侵攻を逃れ、国外に避難した作家の絵本です。
言葉はなくて、読者個々人に解釈を委せる形ですが、ウクライナのおかれている現状を鋭く叫んでいるようです。
鉄条網の張り巡らされた街で、鉄の蜘蛛が少女を狙っています。
ミサイルが着弾します。
少女の支えは黄色い蝶々ですが、ウクライナを思う心の象徴のようです。
数え切れないくらいの蝶々が、鉄条網を取り払ってくれたら、どんなにも安心できるでしょう。
次第にウクライナ国旗の青と黄色に画面は染まっていきます。
それを見つめるウクライナの人々の願いと祈りが伝わってきます。
ウクライナの戦いは、まだまだあかるい兆しを見せてくれません。
いつになったら平和になるのでしょう。
この絵本の続きが明るいものであることを祈ります。(ヒラP21さん 70代以上・千葉県 )
【情報提供・絵本ナビ】