家族

千葉皓史句集　

ふらんす堂
千葉皓史　

• 価格: 3,080円（本体2,800円＋税）
• 発行年月: 2023年04月
• 判型: 四六判
• ISBN: 9784781415307

内容情報

[BOOKデータベースより]

『家族』は私の第二句集である。本句集には、『郊外』以後、ほぼ平成末年までの作品を収めた。（著者）

[日販商品データベースより]

◆第二句集



濤音のどすんとありし雛かな



『家族』は私の第二句集である

本句集には、『郊外』以後、ほぼ平成末年までの作品を収めた。





◆自選十七句

敲いてはのし歩いては畳替

外套の中なる者は佇ちにけり

青空の端に出されし福寿草

幼子の遊びくらせる二月かな

ひとつこと済みたるものの芽なりけり

みづうみにみづあつまれる紫雲英かな

菜の花を挿す亡き者に近々と

櫻貝夜深き風は聞くばかり

濤音のどすんとありし雛かな

明易き森の中なる灯がともり

遠国の石を配せる牡丹かな

萍のうごかぬ水の減りにけり

いづこへか下る石段夜の秋

白波に乗る何もなしきりぎりす

はなびらの間のひろき野菊かな

コスモスを大人数の去りしなり

青空の光つてゐたる秋の暮