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[BOOKデータベースより]
ケアは家族へ回帰するのか。社会に頼ることができるのか。民間組織「機構」の役割を当事者の目線で検討し、また複数の障害者家族への聞き取りを通して、中国西北部に暮らす知的障害者とその家族の生の営みを映し出す。
序章
[日販商品データベースより]第1部 中間的領域/組織の役割からみる「新しい社会性」(中国政府の障害認識と政策理念;中国的ソーシャルワークと民間組織;高等教育機関の教員による「機構」の中間的領域/組織の役割;知的障害者支援組織「慧霊」の中間的領域/組織の役割;知的障害児教育支援センターの中間的領域/組織の役割)
第2部 障害者家族の「新しい社会性」(中間的領域/組織の経験―母親の回復と専門家の役割;「家族回帰」と個人の自立―自己実現を追求する母親;「家族回帰」と個人の犠牲―祖父母の関与をめぐって;「家族回帰」と中間的領域/組織のはざま―混沌と期待を語る母親)
終章 知的障害者とその家族の「新しい社会性」
ケアは家族へ回帰するのか、社会に頼ることができるのか
「新しい社会性」とは、家族もしくはその他の社会集団の代表ではない、一人の人間が、個人と個人の間で、社会における活動を通して互いに影響を与え合うことを特徴とする、新たな個人とその結びつきのありかたである。2000年代の中国は、中国共産党の管理と指示に従って行動する必要があり、かつ個人化という「新しい社会性」が生まれている社会状況である。
本書では、家族以外の多様な他者とのかかわりが必要とされる障害者とその家族を対象に、障害のある家族成員のケアは家族以外の社会関係(中間的領域/組織)に頼ることができるのか、あるいは家族へ全面的に依存せざるを得ない状況にあるのかといったことを考察する。
第一部では法整備や中間的領域/組織の成り立ちなど、社会の面から障害者家族とのかかわりを見る。第二部は知的障害の子をもつ家族の聞き取りをもとに、個人の側から障害者とその家族の「新しい社会性」の内実を見る。