- 写真をアートにした男 石原悦郎とツァイト・フォト・サロン
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- 価格
- 880円(本体800円+税)
- 発行年月
- 2022年12月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784094072099
[BOOKデータベースより]
一九七八年、東京・日本橋に日本初の写真のコマーシャル・ギャラリー、ツァイト・フォト・サロンが誕生する。創始者である石原悦郎は、当時、商品価値が認められていなかったオリジナル・プリントを美術品へと押し上げ、コレクターを生み出し、荒木経惟や森山大道の写真を作品として初めて販売し、のちに世界的写真家として認知される道筋を整えた。本人へのインタビューと写真家による時代証言や資料を駆使して描かれる本書は、ひとりの美術商の波乱に満ちた生涯を通じ、「写真はなぜアートなのか?」という問いに応じる物語である。
第1章 日本で最初の写真画廊
第2章 パリで出会った巨匠たち
第3章 オリジナル・プリントの夜明け前
第4章 荒木・森山の時代
第5章 つくば写真美術館の夢と現実
第6章 写真家たちとつくる新しい写真
第7章 コレクションに託された未来
写真をアートにした石原悦郎の生涯の文庫化
1978年に日本で最初に誕生した写真のコマーシャル・ギャラリーであるツァイト・フォト・サロンの創始者、石原悦郎の生涯を追うことで、日本写真史を立体的に描いた単行本の待望の文庫化。石原が写真画廊を始めた頃は写真が未だ雑誌の為の印刷原稿の域にとどまり、オリジナル・プリントに対して、芸術的な価値はまったく認められていなかった。彼はいかにして、今日のように写真家がアーティストとして活動し、写真が芸術作品として社会に認められるような状況を作り出したのであろうか。そのことは表舞台にいる写真家だけを見ていては知り得ないことである。石原がフランスで世界的巨匠であるアンリ・カルティエ=ブレッソンやブラッサイらと交流し、その経験を国内作家にも伝えながら、独自に「アートとしての写真」を広めようとした活動は、結果的に植田正治を世界に発信し、荒木経惟、森山大道といった世界的写真家の輩出という大きな果実をもたらす。写真がアートになるために必要なことを総合的にプロデュースした、いわば日本写真史の影の立役者が石原悦郎という人物である。石原の眼を追体験できる本書は、日本写真史への理解を深める一冊となる。
【編集担当からのおすすめ情報】
かつてないほど誰もが写真を撮り、ネット空間に写真があふれる一方で、希少性があり芸術性に富んだ写真がアートとして高額で売買されるという両極に触れている「写真」の世界。しかし、写真がアートとして認知されるには、先駆者の先見性と努力が必要であった。1978年に写真画廊を創設した石原悦郎は間違いなく日本における先駆者であり、荒木・森山を世界に売り出した見者であった。現代写真史の黎明期を彩った石原の生涯を丁寧に描いた単行本の待望の文庫化である。
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