[BOOKデータベースより]
大切な人との出会いや、別れ―。楽しいことも、悲しいこともたくさんありました。どんな場所でも、どんな時も。けんめいに前をむいて走った木馬の、長い長い物語。
[日販商品データベースより]木馬のブランは、長い年月を経て、楽しいことも、悲しいこともある旅をします。背景と馬の変化で物語が進む、木馬定点絵本。
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ずっと遠いある国で生まれた木馬、ブラン。背中に男の子を乗せ、音楽に合わせ回りだすと、景色は色の線にかわり、まるで空を飛んでいるかのよう。そんな時、ブランは幸せな気持ちになるのです。やがてメリーゴーラウンドに人が来なくなると、兄弟の木馬と離れて小さな遊園地へ。女の子が頭につけてくれたリボンが古くなった頃、さらに小さな村を転々とまわり、お祭りの衣装を着せられたり、結婚式で走ったり、あるいは乱暴な子どもにキズをつけられたり。ブランを愛する老人に引きとられ、おだやかな時間を過ごしたことも。そのうち時が経つと、ブランはとうとうひとりぼっちになり……。どんな時も耳をピンと立て、前を向いて走り続ける美しい木馬「ブラン」を中心に、ぐるぐると変わっていく背景。その長い時間の中で、ブランは何を思うのでしょう。楽しかった場所を離れるさびしさ、次の場所へ向かう時の期待、ひとりで過ごす静かな時間。それでも新たな幸せを見つけていくブランの姿を、読者は見守り続けるのです。現代美術家としても活躍されている牡丹靖佳さんの生み出す絵本は、どこか儚げだけれど、その物語は不思議と強く印象に残ります。木漏れ日の様な淡い色で彩られたブランの旅もまた、私たちの記憶にしっかりと残っていくのでしょう。
(絵本ナビ編集長 磯崎園子)
メリーゴーランドの木馬の視点でお話がすすんでいきます。まさに、タイトル通り、旅をする。それも長い旅です。おだやかで静かに楽しめるような物語でした。そして、なんといっても、やわらかい色あいの絵が魅力的で、見入ってしまいました。(あんじゅじゅさん 50代・高知県 )
【情報提供・絵本ナビ】