[BOOKデータベースより]
6年生になったら、ラベンダー色のランドセルが似合うお姉さんになってきれいな歌声を響かせているはずだった。でも。「今年こそ金賞を」いつしかエールはプレッシャーに、ハーモニーは不協和音になっていく。そんなときに出会ったボーイソプラノの朔と半地下合唱団に参加するうち、真子は、合唱クラブのありかたを考えはじめる。
[日販商品データベースより]「今年こそ金賞を」の重圧と厳しい練習で崩壊寸前の合唱クラブ。
小6の真子はボーイソプラノの朔や商店街の合唱団と出会い、頑張ることの意味やクラブのあり方を考える。
青春小説『ヒトリコ』『タスキメシ』の著者が描く、初の児童文学!
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「楽しくやるってことを、頑張らなくていいってことだと思ってるよね。」「二十四時間、毎日毎日、合唱コンクールのことだけを考えていたら、うまくなれるの?」「まわりと競争して一番をめざすことだけが、えらいってわけじゃないじゃん。」どのセリフも心の真ん中にささるような、ドキッとするやりとり。クラスメイトや仲間と何か一緒に取り組んだことがある小学生、中学生の皆さんは、似たような場を体験したことがあるでしょうか。中心となる舞台は、学校の合唱クラブ。合唱コンクールに向けて「今年こそ金賞を」と力の入る張りつめた空気の中で、「頑張る」ことに対して、さまざまな立場や考え方の人が登場します。部長としての責任感から部員や下級生への指導に厳しさが増していく部長の穂乃花、合唱クラブの厳しさに耐えられなくなり不登校になってしまった優里、合唱部の雰囲気と優里のことでもやもやしながらもなかなか自分の意見が言えない、このお話の主人公、真子。合唱クラブには所属していないけれど美しいボーイ・ソプラノの歌声をもつ朔(はじめ)、そして朔が参加する商店街の「半地下合唱団」の個性的なメンバー。朔に誘われて「半地下合唱団」の練習に参加するようになった真子は、発声練習も基礎練習もせず声量がバラバラながらも、「半地下合唱団」の全員が楽しそうに歌っている姿に打たれます。さらに、思っていることをしっかり言葉にできる朔やメンバーとのやりとりを通して、だんだん自分の言葉を見つけていきます。元々は友だちだった部長の穂乃花がどんなに部員に厳しい言葉をかけても何も言い返せない真子の姿に共感する人も多いことでしょう。けれども、どうしたら良いのか、ずっと悩んで考え続けていたことで、真子の内側の思いはしっかりとした言葉となっていきます。穂乃花や顧問の先生に対して真子の言葉があふれ出る場面には、お話を読みながら同じようにもやもやしていた私たちの気持ちも外に出ていくようで、清々しさを覚えたり、励まされるのではないでしょうか。さらに、合唱クラブの在り方に対して全部を否定するのではなく、相手にとっての「正しさ」を認めながらどっちが間違っているとか悪者というわけではない、という考えには、人と人とのコミュニケーションにおける大切なことを教えてもらった気がしました。「力強く、澄んだ風に物語や想いがとけると、ラベンダーみたいな優しい香りがする」小学校の入学式の時に、はじめて聴いた合唱クラブの歌に、いい香りのするラベンダーのような風が吹いてきたのを感じた真子。それ以来ずっと憧れ、四年生で期待に胸を膨らませて入った合唱クラブ。さて、思いを伝えた先の合唱クラブの歌声は、またラベンダーの香りを吹かせることができるのでしょうか。
(絵本ナビ編集部 秋山朋恵)
【情報提供・絵本ナビ】