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中国の富・権力・腐敗・報復の内幕
草思社 デズモンド・シャム 神月謙一
点
2017年9月、著者の元妻で共同経営者のホイットニー・デュアン(段偉紅)は突然、北京の事務所から拉致され拘束された、それから現在まで消息不明だ。上海の貧しい教師の家に生まれた著者は改革開放経済下の中国社会で大成功し、新富裕層になる。華々しい成功を収めた彼らは、プライベートジェットで移動し、数百万ドルをビルへの投資や寄付に使い、高価なマンションや、車、美術品などを購入する。ところが、習近平体制下の腐敗一掃で破滅が待っていた。90年代から2000年代前半の新中国で何が起きていたか、富を生むメカニズムはどのようなものだったのか、当事者が描く波乱万丈で、ある種痛快な回想記。有名人多数登場。
失踪父と母 上海1968‐1979新世界 香港1978‐1989投資ビジネス ウィスコンシン・香港1989‐1997ホイットニー 北京・上海1997‐2002結婚 北京・カナダ2002張おばさん 北京2001‐2002温一家 北京2002‐2003平安保険株 北京2002‐2004空港プロジェクト 香港・北京2001‐2005〔ほか〕
起業家である筆者は、中国の権力と富の頂点に登り詰めるが、突然、元妻で共同経営者のホイットニーが失踪する(2017年9月、今も行方不明)。彼の、ユニークでセンセーショナルな回想録は、現代中国の、富を生むメカニズムの中で実際に起こっていたことを暴露した本だ。刊行以来、話題となっている。一九四九年の共産主義革命のあと、デズモンド・シャムの祖父(蘇州の一族)は、かつての地主や富農が含まれる「黒五類」という卑しい階級に入れられた。それはシャム(沈)家が烙印を押され、貧困に陥ることを意味した。その結果、上海の貧しい教員の父母のもとに生まれたデズモンド(1968年生まれ)は、成長するにつれて、自分の人生をまったく違ったものにすると心に誓う。デズモンドは、小学生の時、母の一族が住む香港へ移住、苦学(皇仁書院)するが、水泳選手として認められるなど、懸命な努力によってアメリカの大学(ウイスコンシン大学)へ留学、学位(経営学)を取得すると、中国に戻ってビジネスの世界に飛び込んだ。その時、中国経済は江沢民下の改革開放経済の中で急速な発展を遂げていた。ビジネスチャンスはいたるところにあった。そこで出会ったのが、やがて妻となる、教養豊かで彼と同様の野心を持ったホイットニー・デュアン(段偉紅)である。彼女は、男性が支配する中国社会で成功してみせると固く決意していた。その秘訣は権力機構や有力者とのコネ(グアンシー=関係性)だと言った。デズモンドとホイットニーは、有能なチームを作り、「赤い貴族」の頂点に位置する人々(温家宝一族、特に温家宝夫人である張培莉、など)との結び付きに助けられて、一躍、中国の超資産階級の仲間入りをする。彼らは平安保険株の上海証券取引所への上場で大金をつかみ、その後北京首都国際空港に中国一の巨大な航空貨物施設(物流センター)を建設し、続いて、北京の高級街区ジェネシス(啓皓)北京の建設にかかわる。ここには安藤忠雄設計の美術館や北京でトップクラスのホテル「ブルガリ・ホテル」がある。華々しい成功を収めた彼らは、プライベートジェットで移動し、数百万ドルをビルへの投資や寄付に使い、高価なマンションや、車、美術品などを購入する。ところが2012年以降、習近平体制下の腐敗一掃運動の広がり、それに伴う権力闘争に巻き込まれたか、二人の運命は決定的に分かれ、二度と引き返せなくなる。2017年、息子と一緒に海外に住んでいたデズモンドは、元の妻ホイットニーが、職場の同僚三人と共に姿を消した(官憲に拉致され拘束されたらしい)ことを知らされる。この本はデズモンドの物語であり、自ら語ることのできないホイットニーの物語である。新中国の政治経済体制の中で実際に何が起こっていたかを当事者の眼で描いた稀有な記録。一代で財を成した新興企業家たちの前に何が待っているかを実例をもって描いた本である。
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[BOOKデータベースより]
2017年9月、著者の元妻で共同経営者のホイットニー・デュアン(段偉紅)は突然、北京の事務所から拉致され拘束された、それから現在まで消息不明だ。上海の貧しい教師の家に生まれた著者は改革開放経済下の中国社会で大成功し、新富裕層になる。華々しい成功を収めた彼らは、プライベートジェットで移動し、数百万ドルをビルへの投資や寄付に使い、高価なマンションや、車、美術品などを購入する。ところが、習近平体制下の腐敗一掃で破滅が待っていた。90年代から2000年代前半の新中国で何が起きていたか、富を生むメカニズムはどのようなものだったのか、当事者が描く波乱万丈で、ある種痛快な回想記。有名人多数登場。
失踪
[日販商品データベースより]父と母 上海1968‐1979
新世界 香港1978‐1989
投資ビジネス ウィスコンシン・香港1989‐1997
ホイットニー 北京・上海1997‐2002
結婚 北京・カナダ2002
張おばさん 北京2001‐2002
温一家 北京2002‐2003
平安保険株 北京2002‐2004
空港プロジェクト 香港・北京2001‐2005〔ほか〕
起業家である筆者は、中国の権力と富の頂点に登り詰めるが、突然、元妻で共同経営者のホイットニーが失踪する(2017年9月、今も行方不明)。彼の、ユニークでセンセーショナルな回想録は、現代中国の、富を生むメカニズムの中で実際に起こっていたことを暴露した本だ。刊行以来、話題となっている。
一九四九年の共産主義革命のあと、デズモンド・シャムの祖父(蘇州の一族)は、かつての地主や富農が含まれる「黒五類」という卑しい階級に入れられた。それはシャム(沈)家が烙印を押され、貧困に陥ることを意味した。その結果、上海の貧しい教員の父母のもとに生まれたデズモンド(1968年生まれ)は、成長するにつれて、自分の人生をまったく違ったものにすると心に誓う。
デズモンドは、小学生の時、母の一族が住む香港へ移住、苦学(皇仁書院)するが、水泳選手として認められるなど、懸命な努力によってアメリカの大学(ウイスコンシン大学)へ留学、学位(経営学)を取得すると、中国に戻ってビジネスの世界に飛び込んだ。その時、中国経済は江沢民下の改革開放経済の中で急速な発展を遂げていた。ビジネスチャンスはいたるところにあった。そこで出会ったのが、やがて妻となる、教養豊かで彼と同様の野心を持ったホイットニー・デュアン(段偉紅)である。彼女は、男性が支配する中国社会で成功してみせると固く決意していた。その秘訣は権力機構や有力者とのコネ(グアンシー=関係性)だと言った。
デズモンドとホイットニーは、有能なチームを作り、「赤い貴族」の頂点に位置する人々(温家宝一族、特に温家宝夫人である張培莉、など)との結び付きに助けられて、一躍、中国の超資産階級の仲間入りをする。彼らは平安保険株の上海証券取引所への上場で大金をつかみ、その後北京首都国際空港に中国一の巨大な航空貨物施設(物流センター)を建設し、続いて、北京の高級街区ジェネシス(啓皓)北京の建設にかかわる。ここには安藤忠雄設計の美術館や北京でトップクラスのホテル「ブルガリ・ホテル」がある。華々しい成功を収めた彼らは、プライベートジェットで移動し、数百万ドルをビルへの投資や寄付に使い、高価なマンションや、車、美術品などを購入する。
ところが2012年以降、習近平体制下の腐敗一掃運動の広がり、それに伴う権力闘争に巻き込まれたか、二人の運命は決定的に分かれ、二度と引き返せなくなる。2017年、息子と一緒に海外に住んでいたデズモンドは、元の妻ホイットニーが、職場の同僚三人と共に姿を消した(官憲に拉致され拘束されたらしい)ことを知らされる。
この本はデズモンドの物語であり、自ら語ることのできないホイットニーの物語である。新中国の政治経済体制の中で実際に何が起こっていたかを当事者の眼で描いた稀有な記録。一代で財を成した新興企業家たちの前に何が待っているかを実例をもって描いた本である。