[BOOKデータベースより]
上(第1章 空思想の基本的性格;第2章 浄土仏教思想の原理的構造;第3章 如来の十義(1);第4章 如来の十義(2))
下(第5章 如来の十義(3);第6章 如来の十義(4))
如来十義と菩薩道十地という二類のカテゴリーのうちに思想的基盤を見すえて、大乗浄土仏教思想の根柢に親鸞聖人によって開顕された浄土真宗を普遍的原理として聞思し考究せんとした。如来十義のうちに、阿弥陀如来の大悲的活動の果的成就としてはたらく普遍的な諸相が聞思され、菩薩道十地のうちに法蔵菩薩の本願力活動の因的プロセスとして大乗菩薩道の生起本末の特殊的諸相が聞思されるからである。