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[BOOKデータベースより]
バブル崩壊から20年以上に亘る日本の金融危機が、先進国間で突出して長期化した理由は何か。金融危機克服の過程はどのようなものだったのか。そして明治期以来100年ぶりに行われた倒産法制の全面刷新はその要請に応えられたのか。金融機関、官僚、法律家、研究者等を直接取材して得られた生の情報を比較制度分析の手法によって体系化し、この時代の経済システムの転換の困難さを経路依存性の視点から捉えて、その全貌を明らかにした。
認識と制度はいかに形成されるか
[日販商品データベースより]第1部 平成金融危機の真相(プルーデンス政策における制度的無防備;制度構築の空白期間―寺村銀行局長の時代;動態的不良債権論―日銀信用機構局の考察 ほか)
第2部 倒産処理制度の改革(倒産処理制度の改革前夜―問題の所在2;倒産法制改革の思想と民事再生法;事業再生市場と会社更生法改正 ほか)
第3部 新たな相互補完的な制度体系を目指して(再び、危機へ―事業再生の今日的課題;1975年体制の克服)
日本の金融危機が先進国間で突出して長期化した理由は何か。危機克服のために再構築が進められた倒産法制はその要請に応えられたのか。金融機関、官僚、法律家、研究者等に対する綿密な取材で得られた情報を比較制度分析の手法によって体系化し、経済システム転換の困難さを経路依存性の視点から捉えて全貌を明らかにした。
■白川方明(前日本銀行総裁)氏推薦
倒産制度は経済や社会のありようを最も深い所で規定している。日本のバブル崩壊以降の経験はこのことを端的に示している。不良債権問題の「先送り」も近年の生産性上昇率の低迷も、倒産制度という補助線を引き、しかも「通し」で議論することなしには理解できない現象である。しかし、この作業は容易ではない。まず制度自体が複雑である。同じ倒産でも金融機関と一般企業とではシステミック・リスクの有無をはじめ重要な差異も存在する。そして何よりも、制度の変容をもたらす大きなメカニズムについての理解が必要である。著者は倒産制度の変遷を単に追うだけでなく、それをもたらした政策形成プレイヤーの行動に注目し、政治や社会との関係、組織と個人、理論と実務等幅広い視点から様々な教訓を引き出そうとしている。私はこうした書物の出現を長い間渇望していた。この難しい課題に挑戦した著者の勇気、情熱、責任感に心より敬意を表するとともに、現在の閉塞的な社会状況からの脱却の糸口を探している多くの人に本書を推薦したい。