- SNS天皇論
-
ポップカルチャー=スピリチュアリティと現代日本
講談社選書メチエ 761
- 価格
- 1,925円(本体1,750円+税)
- 発行年月
- 2022年04月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784065271346
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[BOOKデータベースより]
SNSでは皇太子とのツーショット写真が投稿され、天皇は時に「かわいい」キャラクターとして愛でられる一方、スピリチュアリティへの欲望をかき立てている。そうした時代に明仁天皇は、「おことば」の発信によって、「弱者政治」という言説戦略をとった―誰もが表象の消費者であり、同時に表象の生成者ともなり得る「ポスト・グーテンベルク」時代の中で、生前退位から令和改元フィーバーのメディア表象まで、現代日本と天皇(制)の「リアル」を描き出す!
序章 表象の集積体としての天皇(制)研究―その可能性と限界
[日販商品データベースより]第1章 「おことば」の政治学
第2章 狂乱と共犯―令和改元におけるメディア表象をめぐって
第3章 ポップカルチャー天皇(制)論序説
第4章 「スピリチュアリティ」とオカルト―瑞祥・古史古伝・天皇怪談
第5章 「慰霊」する「弱い」天皇―一九九四年小笠原諸島行幸啓の検討から
終章 SNS時代の天皇(制)を問うこと
生前退位から令和改元フィーバーの陰で、この国では何が起こったのか?
スマホの中の象徴天皇制を問い、「生前退位」から令和改元の言説空間を鋭く分析する、日本でもっともビビッドな表象文化論!
SNSでは皇太子とのツーショット写真が投稿され、天皇は時に「かわいい」キャラクターとして愛でられる一方、スピリチュアリティへの欲望をかき立てている。
そうした時代に明仁天皇は、「おことば」の発信によって「弱者政治【マイノリティ・ポリティクス】」という言説戦略をとった。
誰もが表象の消費者であり、同時に表象の生成者ともなり得る「ポスト・グーテンベルク」時代に、わたしたちは天皇(制)とその表象をいかにして問うことが可能なのか。本書はその試みである。
[本書の内容]
序章 表象の集積体としての天皇(制)研究―その可能性と限界
第一章 「おことば」の政治学
1映像表現としての「おことば」
2語りの戦略性―「弱者」としての自己表象と「寄り添い」のディスクール
3語り手の欲望―アリバイとしての宗教的超越性の語りと永続性への欲求
第二章 狂乱と共犯―令和改元におけるメディア表象をめぐって
1政府による「政治的利用」の成功
2皇室による異議申し立てとその欲望、実質的共犯
3政府と皇室の共犯関係
4マスメディアの狂乱と不安、SNSの充満とノイズ
第三章 ポップカルチャー天皇(制)論序説
1皇室によるポップカルチャー消費―ゆるキャラ・初音ミク・アイドル
2ポップカルチャーによる皇室消費―現代天皇小説・天皇マンガ考
3 monstrum としての『シン・ゴジラ』
第四章 「スピリチュアリティ」とオカルト―瑞祥・古史古伝・天皇怪談
1令和「瑞祥」と規範逸脱の可能性
2雑誌『ムー』における「オカルト天皇」言説
3現代天皇怪談、その異端性と批評性
第五章 「慰霊」する「弱い」天皇―一九九四年小笠原諸島行幸啓の検討から
1慰霊の宛て先
2訪問意図の読み替え
3「弱い天皇」の誕生
終章 SNS時代の天皇(制)を問うこと
※第四章の一部は、青弓社刊『〈怪異〉とナショナリズム』(怪異怪談研究会監修、茂木謙之介ほか編著、2021年)を基とする。