- 憂国の文学者たちに
-
60年安保・全共闘論集
講談社文芸文庫 よB10
- 価格
- 2,200円(本体2,000円+税)
- 発行年月
- 2021年11月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784065260456
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[BOOKデータベースより]
六〇年安保闘争で全学連主流派の現実認識に賛同し同伴した数少ない知識人・吉本隆明は一九六九年、東大紛争時の丸山真男らの態度を厳しく批判する。戦後日本が経済成長をとげる過程で個人が直面した独占支配の様相、そして高度資本主義社会に至り本質的、究極的に表出しはじめる権力問題にたいし、容赦ない批判を浴びせる思想は今こそ輝きを増す。
死の国の世代へ―闘争開始宣言
[日販商品データベースより]憂国の文学者たちに
戦後世代の政治思想
擬制の終焉
現代学生論―精神の闇屋の特権を
反安保闘争の悪煽動について
思想的弁護論―六・一五事件公判について
収拾の論理
思想の基準をめぐって―いくつかの本質的な問題
「SECT6」について
権力について―ある孤独な反綱領
七〇年代のアメリカまで―さまよう不可視の「ビアフラ共和国」
革命と戦争について
冒頭に置かれた「死の国の世代へ」は「闘争開始宣言」という副題を持つ詩である。そこでは誰の保護も受けずに生きた個人のイメージが描かれる。
60年安保闘争での敗北を経て書かれた「擬制の終焉」では社会党や共産党などの党派的な左翼運動や市民・民主主義的な啓蒙主義を完全に否定し、真の前衛運動ないし市民運動の成長に期待を寄せた。
1969年、東大安田講堂に籠もった学生が警察力によって排除された直後に書かれた「収拾の論理」において、丸山真男に代表される大学の知識人の欺瞞を批判し、徹底的に論争を続ける旨宣言して結ばれる。
日本がバブル景気で沸き立っていた1988年に書かれた「七〇年代のアメリカまで」では、その後の東西冷戦終結でアメリカ合衆国が唯一の超大国となる……というあまりに単純化された物言いとまったく異なるアメリカへの視線が浮かび上がっている。
本書に収録された13篇がモチーフとするのは60年安保闘争や全共闘運動といった過去の出来事だが、むしろ執筆当時の文脈から切り離されて現代において読まれてこそ、個人と権力の関係をより切実に感ずることができ、その真価を発揮するものと思われる。