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国書刊行会 水谷周 鎌田東二
点
人間にとって“祈り”とはなにか。高齢化社会や大災害への不安が前景化する今、人間存在の本質的なよりどころとしての“祈り”の意味と価値を多角的に見つめなおし、問いなおす。
第1章 宗教信仰とは第2章 信仰心蘇生のために第3章 祈りと巡礼第4章 宗教信仰を感得させる本第5章 イスラームが問いかける日本のあり方第6章 宗教信仰復興の二つの課題付録 教皇フランシスコの「祈り」の講話
願いを持たない人はいないし、従って祈らない人はいない。その祈りがまとまれば、信仰そのものである。それは難しいどころか人間の変わらぬ日々の営みであり、意識するかどうかは別として、誰しも自然とそれを実行し、その果実を得ているものなのである。だから祈りも宗教信仰も、人の半分なのである。ただし祈りや信仰は下手をすると形骸化するし、仏作って魂入れずということにもなる。人はそれをいつも正しく実践し、常にそれを蘇生し、深化に努めなければならない。一方では時おりしも高齢化社会となり、老後の精神生活や終末の迎え方や看取りのあり方などといったかたちで、心の問題が取り上げられることが増えている。また自然の猛威に対する無力感から、祈る機会も増えている。いわば平時の祈りに加えて、有事の祈りが前面に出てきているといえる。こうして時代は物質文明とそれを推進してきた科学重視の合理主義から、それを脱却して心の時代とも称されるようになっている。ただしこれは、世界の潮流の一端でもある。従来の祈りの文化を問い直し、その刷新と深化を図る必要が叫ばれているのは、いわば祈りの需要拡大に見合った供給拡大が進んでいない結果でもある。そこで多くの論者が議論し、多数の出版物が市場に溢れんばかりという現象が見られるのである。そしてその中に、本書が新たに参入するということになる。本書ではまず信仰は人としての自然な営みであることを述べ、次に信仰心の蘇生のための諸側面を説明する。そして仏教、神道、キリスト教、イスラームを通じての祈りと巡礼における篤信振りを生の言葉と書籍より抽出した。またイスラームから見れば、日本はどのように映るのかについて論説し、最後に戦後社会という特殊な時代における格別な宗教信仰復興のあり方、特に宗教人の社会・政治参画の必要性を訴えている。そのような活動は宗教本来のものであり、それこそは真に具体的な祈りの深化となる。なお神道関係は鎌田東二が、それ以外は水谷周が執筆した。以上を通じて、学理にとらわれず信仰の一層確かな把握とその堅持に焦点を絞った。その意味では多数の書籍の中でも、本書が一抹の固有の存在価値を発揮してくれればと願っている。宗教信仰はその抽象性と現世的表現を超越した実体を対象とする。だから分かったようで分かりにくいし、またすぐに崩れてしまうガラスの城である。砂の城かもしれない。しかしそれは人間が当然希求するものである、というところが味噌である。看過したり、失念したり、あるいは軽視できないのだ。まただからこそ永劫に大切にして、次世代に丁寧に受け継がれるべき宝であるとも言える。本書がそのような宝への扉を少しでも開く役目を果たすことができれば、著者の本望を果たしたこととなる。(本書序文より)
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[BOOKデータベースより]
人間にとって“祈り”とはなにか。高齢化社会や大災害への不安が前景化する今、人間存在の本質的なよりどころとしての“祈り”の意味と価値を多角的に見つめなおし、問いなおす。
第1章 宗教信仰とは
[日販商品データベースより]第2章 信仰心蘇生のために
第3章 祈りと巡礼
第4章 宗教信仰を感得させる本
第5章 イスラームが問いかける日本のあり方
第6章 宗教信仰復興の二つの課題
付録 教皇フランシスコの「祈り」の講話
願いを持たない人はいないし、従って祈らない人はいない。その祈りがまとまれば、信仰そのものである。それは難しいどころか人間の変わらぬ日々の営みであり、意識するかどうかは別として、誰しも自然とそれを実行し、その果実を得ているものなのである。だから祈りも宗教信仰も、人の半分なのである。ただし祈りや信仰は下手をすると形骸化するし、仏作って魂入れずということにもなる。人はそれをいつも正しく実践し、常にそれを蘇生し、深化に努めなければならない。
一方では時おりしも高齢化社会となり、老後の精神生活や終末の迎え方や看取りのあり方などといったかたちで、心の問題が取り上げられることが増えている。また自然の猛威に対する無力感から、祈る機会も増えている。いわば平時の祈りに加えて、有事の祈りが前面に出てきているといえる。こうして時代は物質文明とそれを推進してきた科学重視の合理主義から、それを脱却して心の時代とも称されるようになっている。ただしこれは、世界の潮流の一端でもある。
従来の祈りの文化を問い直し、その刷新と深化を図る必要が叫ばれているのは、いわば祈りの需要拡大に見合った供給拡大が進んでいない結果でもある。そこで多くの論者が議論し、多数の出版物が市場に溢れんばかりという現象が見られるのである。そしてその中に、本書が新たに参入するということになる。
本書ではまず信仰は人としての自然な営みであることを述べ、次に信仰心の蘇生のための諸側面を説明する。そして仏教、神道、キリスト教、イスラームを通じての祈りと巡礼における篤信振りを生の言葉と書籍より抽出した。またイスラームから見れば、日本はどのように映るのかについて論説し、最後に戦後社会という特殊な時代における格別な宗教信仰復興のあり方、特に宗教人の社会・政治参画の必要性を訴えている。そのような活動は宗教本来のものであり、それこそは真に具体的な祈りの深化となる。なお神道関係は鎌田東二が、それ以外は水谷周が執筆した。
以上を通じて、学理にとらわれず信仰の一層確かな把握とその堅持に焦点を絞った。その意味では多数の書籍の中でも、本書が一抹の固有の存在価値を発揮してくれればと願っている。宗教信仰はその抽象性と現世的表現を超越した実体を対象とする。だから分かったようで分かりにくいし、またすぐに崩れてしまうガラスの城である。砂の城かもしれない。しかしそれは人間が当然希求するものである、というところが味噌である。看過したり、失念したり、あるいは軽視できないのだ。まただからこそ永劫に大切にして、次世代に丁寧に受け継がれるべき宝であるとも言える。本書がそのような宝への扉を少しでも開く役目を果たすことができれば、著者の本望を果たしたこととなる。
(本書序文より)