- 第三の精神医学
-
人間学が癒やす身体・魂・霊
講談社選書メチエ 749
- 価格
- 1,760円(本体1,600円+税)
- 発行年月
- 2021年06月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784065238240
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[BOOKデータベースより]
本書は、長年にわたって第一級の精神科医として臨床経験を重ねてきた著者が投げかける重要な提案です。(1)エミール・クレペリン(一八五六‐一九二六年)によって確立された脳を観察する神経組織病理学に基づく身体・自然科学的な精神医学。(2)ジークムント・フロイト(一九五六‐一九三九年)が創始した個人心理学としての心理・精神分析的な精神医学。これら二つの精神医学の限界が明らかになった今、第三の、そして真の精神医学が示されます。「身体」、「魂」、「霊」の三層から成る人間にとって本当の意味で心の病を癒やすには、どうすればよいのか―その答えは、本書にあります。
序章 精神医学と世俗化
[日販商品データベースより]第1章 宗教的存在としての人間
第2章 人間の精神構造
第3章 愛の秩序
第4章 心の病気とは何か
第5章 心の病気の治療
終章 エマオへの道
本書の表題に掲げられた「第三の精神医学」とは、いったいどのようなものなのか、と思われることでしょう。それは、長年にわたって第一級の精神科医として臨床経験を重ねてきた著者が、われわれに向けて投げかける重要な提案です。
著者は言います。「10年、20年と診療を続けるうちに、さまざまな年齢の患者さんたちが、教科書に記されているような症状の背後に、若いころから同じ悩みを引きずっていることに気づき、私はこれこそが精神病の本質であるとの確信を抱くようになった」。では、その「精神病の本質」とは何でしょうか。それは動物実験や脳の分析では決して明らかにならない「人間本来の価値」であり、「生きる意味」そのものだ、というのが答えです。
当たり前のことに聞こえるかもしれません。しかし、18世紀後半に開始された近代的な精神医学の歴史を振り返るなら、その当たり前のことに到達できずにいた現実が分かります。本書は、フランスのフィリップ・ピネル(1745-1826年)に始まる歴史をていねいにひもときながら、1) エミール・クレペリン(1856-1926年)によって確立された、脳を観察する神経組織病理学と疾病分類学に基づく身体・自然科学的な精神医学、2) ジークムント・フロイト(1856-1939年)に代表される、個人心理学としての心理・精神分析的な精神医学、という二つの大潮流を跡づけていきます。その上で、これらのいずれにも与しなかったカール・ヤスパース(1883-1969年)に「第三の道」を見出し、その可能性を最大限に引き出そうと試みるのです。
第三の精神医学では、人間は「身体」、「魂」、「霊」という三つの層が折り重なった存在として捉えられます。本書は、それぞれの層を分かりやすく解説するとともに、それぞれの層に生じた障害への対処法をも紹介します。その結果、「心の病気」の「治療」とはいったい何をすることなのかが本当の意味で明らかになるでしょう。
多くの人が心の問題に悩まされ、苦しんでいる今日、本書はささやかな、しかし力強い希望の光を放っています。
[本書の内容]
序 章 精神医学と世俗化
第一章 宗教的存在としての人間
第二章 人間の精神構造
第三章 愛の秩序
第四章 心の病気とは何か
第五章 心の病気の治療
終 章 エマオへの道