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[BOOKデータベースより]
自分にとっての始まり、それは自分で決めてみるしかないのではないか。読売文学賞を受賞した「かもめの日」と、京都水無月大賞を受賞した「明るい夜」。著者40代の代表作といえるふたつの作品に加え、初書籍掲載となる小説「バーミリオン」、書き下ろし解説、詳細な著作年譜を所収。
[日販商品データベースより]自分にとっての始まり、それは自分で決めてみるしかないのではないか。
読売文学賞を受賞した「かもめの日」と、京都水無月大賞を受賞した「明るい夜」。著者40代の代表作といえるふたつの作品に加え、初書籍掲載となる小説「バーミリオン」、書き下ろし自作解説、著作年譜を収録。
なんの関係性もなさそうな登場人物達が、実は微(かす)かな絆で繋(つな)がっていることを知るのは俯瞰(ふかん)映像で彼らを見ている読者だけである。物語はどんどん繋がってある方向に集約されてゆくのに、彼らは最後までそれに気付かない。
立ち止まっていた場所から一歩前へ進む登場人物達だが、彼らの孤独はきっと解消されない。それでいいのだと思う。その孤独は慣れ親しんだ、すごく当たり前のもののような気もするのだ。
小泉今日子
(「読売新聞」2008年5月11日掲載 『かもめの日』書評より 帯文に掲載)