東京物語考

講談社文芸文庫　ふＡ１３

講談社
古井由吉　

• 価格: 1,980円（本体1,800円＋税）
• 発行年月: 2021年05月
• 判型: 文庫
• ISBN: 9784065231340

内容情報

[BOOKデータベースより]

徳田秋聲、正宗白鳥、葛西善藏、宇野浩二、嘉村礒多ら地方出身作家が「東京」を舞台に紡いだ私小説、永井荷風、谷崎潤一郎が描いた戦後日本人の原像―。日本近代文学における「東京物語」の系譜をたずねて、書かれ、読まれ、生きられた重層的な時間を往還し、現代人の出自をたどる連作エッセイ。後期作品群への扉をひらく「決定的な重要性を持つ問題作」（松浦寿輝）。

安易の風
窪溜の栖
楽しき独学
居馴れたところ
生きられない
何という不思議な
心やさしの男たち
無縁の夢
濡れた火宅
幼少の砌の
とりいそぎ略歴
命なりけり
肉体の専制
境を越えて

[日販商品データベースより]

2020年に逝去した作家・古井由吉が、明治、大正、昭和の「東京」を描いた徳田秋聲、正宗白鳥、葛西善蔵、宇野浩二、嘉村磯多、谷崎潤一郎、永井荷風らの私小説作品をひもとき、浮遊する現代人の出自をたどる傑作長篇エッセイ。長らく入手困難となっていた名作を文芸文庫で。解説・松浦寿輝。