[BOOKデータベースより]
序 風になった青年―立原道造の身体感覚
第1章 詩人の原風景
第2章 建築への志向
第3章 生成する建築イメージ―『方法論』
第4章 信濃追分での詩作と、浅間山麓の別荘建築群
第5章 芸術家コロニイの構想と設計
第6章 ヒアシンスハウスの世界
結 遠景としてのヒアシンスハウス
詩人建築家である立原道造の創作活動を、詩と建築設計の双方から浮かび上がらせる。卒業設計としての浅間山麓の芸術家村構想、浦和の別所沼を立地とした週末住居《ヒアシンスハウス》のスケッチや図面の変容過程を分析し、それらに内在する詩的世界を考察。1930年代の潮流としてのモダニズム建築とその設計思考を受容しながら、土地の来歴や人間の生の営みにも意識を向けてきた立原の建築的思索を探究する。
モダニズム建築の豊穣な可能性
詩人は謳う、言の葉が織りなす幻想の空間を。建築家は造形する、ゲニウス・ロキ(地霊)との豊かな対話の律動を──
風を愛した夭折の詩人建築家・立原道造は、その清冽な短い生涯のなかで、まさに時空を自在に舞う一陣の涼風のごとく、詩文に、絵画に、そして空間造形に、己の建築幻想のありったけを結晶化した。その透徹した魂にとって、廃墟の孤影は再生への希望でもあり、アンビルトを運命づけられた図匠は、未来の生活の記憶でもありえた。立原の初期の創作から、大学以降の詩作と設計活動にいたるまで、その芸術的感性と生の刹那的な共振を、緻密な考証と大胆な仮説によって鮮やかに描き切った、分野横断的な好著。
……桑木野幸司(大阪大学大学院文学研究科教授) 帯文より
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