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- 価格
- 726円(本体660円+税)
- 発行年月
- 2021年04月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784041112298
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[BOOKデータベースより]
父の死をきっかけに実家の洋館を相続した明日香。24年ぶりの実家は懐かしくも忌まわしい品で溢れていた。遺品を整理しながら彼女は、家族への複雑な思いと父から必要とされなかった事実に気づかされる。やがて好調だった仕事はうまくいかなくなり、恋人との関係も壊れ始めるが…。「辛いことを生き延びた先で、すごくきれいな景色を見られるよ」―この世界のどこかにあると誰もが信じている「愛」のその先を描く傑作。
[日販商品データベースより]長らく疎遠だった父が、死んだ。
遺言状には「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」という不可解な言葉。
娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決める。
25年ぶりに足を踏み入れた生家には、自分の知らない父の痕跡がそこかしこに残っていた。
年下の恋人・冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むにつれ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。
次々に現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れて……。
「家族」「男女」――安心できるけれど窮屈な、名付けられた関係性の中で、人はどう生きるのか。
家族をうしない、恋人をうしない、依るべきものをなくした世界で、人はどう生きるのか。
いま、最も注目されている作家・彩瀬まるが、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る、野心的長篇小説。
解説:村山由佳