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[BOOKデータベースより]
序章 身のまわりのプラスチック
1章 ポリマーとプラスチック
2章 プラスチック材料の誕生
3章 ポリマーの合成
4章 逐次反応でできるプラスチック材料
5章 連鎖反応でできるプラスチック材料
6章 ポリウレタンとエポキシ、メラミン樹脂
7章 エンジニアリングプラスチック
8章 エラストマー
付録
プラスチックと聞くと、安くて大量生産ができて環境破壊につながる軽薄なイメージが思い浮かぶかもしれません。しかし、プラスチックが誕生したことで様々なことが可能になり、われわれの生活は大きく変わりました。プラスチックは軽くて丈夫で床に落としても割れず、自由に曲げることもできます。バッグやケース、各種コンテナ、自動車部品もプラスチック製品に置き換わって軽くなり、少ないエネルギー消費で遠くまで運べるようになりました。パソコンやプリンターも金属部品が少なく軽くなり、手軽に移動ができるようになっています。薄くしても水や空気を通さず、それでも丈夫なフィルムができたことによって、食品の長期保存も可能になりました。ゴムや熱可塑性エラストマーによって気密を保つことができるようになり、潜水艇や宇宙船も実現されました。割れない食器や衣類の繊維、ペンキ、接着剤もプラスチックです。
なんだプラスチック製か、とひとことで済ませてしまわれがちですが、プラスチック素材には様々なものがあります。しなやかなものや硬いもの、熱で溶けるもの、熱で溶けないもの、透明なもの、透明でないものなど、数多くの種類のプラスチックがあります。身近なプラスチック製品が具体的にどんな化合物でできていて、またその化合物がなぜ選ばれているのでしょう。考えてみると非常に興味深いものです。
この100年くらいで一気に発展してきたプラスチックですが、それらの発明・発見にはそれぞれにストーリーがあります。この本では、身のまわりのプラスチックがどんなもので、そしてそれらがどのように開発されてきたのかを解説します。大学や高等専門学校で化学や材料を学んでいる人たちだけでなく、プラスチックに関心を持つ多くの人たちが読み進められるように内容を選んであります。
地球環境を護るためにプラスチックとどう付き合っていくべきなのか、単純で明快な答えを出すことは難しいですが、そういった問題を考えるための基本知識を本書から得ることができるでしょう。
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