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[BOOKデータベースより]
ジェンダーは希望である。なぜならジェンダーは男らしさや女らしさが変革可能な属性であることを力強く指し示しているからだ。そのジェンダーが暴力と結びつくというのは、どういうことなのか。17人の論者が“ジェンダー暴力”の地域的な多様性と繰り返し現れる類似性、さらに暴力の回避や抵抗を探究する。
ジェンダー暴力とは何か?
[日販商品データベースより]第1部 家族の名誉にかけて(南アジアにおける強制結婚―規定婚、児童婚、非人間との結婚;二重の暴力―ネパールにおける売春とカースト;名誉は暴力を語る―エジプト西部砂漠ベドウィンの血讐と醜聞;ジェンダー暴力の回避―エジプトのムスリムの試み;噂、監視、密告―モロッコのベルベル人にみる名誉と日常的暴力の周辺;復讐するは誰のため?―ギリシャのロマ社会における名誉をめぐる抗争)
第2部 国家に抗するジェンダー(揺れ動くジェンダー規範―旧ソ連中央アジアにおける世俗主義とイスラーム化;抑圧された苦悩の可視化―韓国の烈女と鬼神;ある「母」の生成―アルゼンチン強制失踪者の哀悼と変わりゆく家族;痛みと記憶―チリ・軍政下を生き抜く女性たち;自由、さもなくば罪人―性の多様性をめぐるインド刑法の攻防)
第3部 ディアスポラ社会の苦悩(名誉をよみかえる―イスタンブルの移住者社会における日常の暴力と抵抗;トランスローカルなジェンダー暴力―インド・パンジャーブ出身女性の経験;暴力と移動が交錯する生―メキシコにおける中米女性移民たち;揺らぐ家父長制―ノルウェーのアラブ系難民女性の定住過程;越境する「強制結婚」―ノルウェーのパキスタン系移民女性とNGO活動;仕事・恋愛・暴力が交錯する場―カラオケパブで出会うフィリピン人女性と日本人男性)
世界的に関心の高まる女性への暴力。その実態は地域や社会によって多様で、その差異を無視しては解決どころか深刻化しかねない。さらにグローバル化のなか地域社会が変容し暴力の構造はますます複雑化している。本書では現地調査をもとに歴史・文化・社会的文脈を考慮しつつ実態を描き出す。