世界が海におおわれるまで

歌集
現代短歌クラシックス　０４

書肆侃侃房 地方・小出版流通センター
佐藤弓生　

• 価格: 1,540円（本体1,400円＋税）
• 発行年月: 2020年12月
• 判型: Ｂ６変
• ISBN: 9784863854307

内容情報

[BOOKデータベースより]

１（パパの手は煙となって；夜の鳥；あなたに似た人；会社の椿事；光が丘公園にて　ほか）
２（十三か月；月と塩；リルケルリ；犀の領域；カーレン・ブリクセンのおしえ　ほか）

[日販商品データベースより]

【歌集より】

秋の日のミルクスタンドに空瓶のひかりを立てて父みな帰る

とうめいなかかとのかたち天空も公孫樹の黄（きい）を踏んでみたくて

風鈴を鳴らしつづける風鈴屋世界が海におおわれるまで

白の椅子プールサイドに残されて真冬すがしい骨となりゆく

革装の書物のように犀は来て「人間らしくいなさい」と言う

「夢といううつつがある」と梟の声する　ほるへ　るいす　ぼるへす