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[BOOKデータベースより]
納税者の主張を認めた判決・裁決を元国税審判官が徹底解説!所得・相続・法人・消費の各税目の判例・裁決事例の多数収録!
第1部 重加算税の賦課要件(総論;最高裁平成6年11月22日判決;最高裁平成7年4月28日判決;本書掲載の判決・裁決の概観)
[日販商品データベースより]第2部 取消判決・裁決
「本判決及び平成7年判決は、過度に厳格な解釈をすることにより重加算税制度の趣旨に反する結果となることを避けるため、文理に完全には反しない限度で国税通則法68条1項の合目的的解釈をしたものと解されるが、他方、その趣旨とするところを超えて重加算税の賦課対象が安易に拡大されることは避けなければならないであろう。」(川神裕「判解」最判解民事篇平成6年度607頁(1997))。
最高裁平成7年4月28日判決(平成7年判決)が、「納税者が、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の右賦課要件が満たされる」との解釈を示して以降、積極的な隠ぺい仮装行為がない場合であっても、課税庁が「特段の行動」を認定して、重加算税を課す事例が増加しています。また、伝統的な論点として、第三者によって隠ぺい仮装行為が行われた場合に、納税者に対して重加算税を課す事例も依然として見受けられます。
もっとも、国税不服審判所ホームページ(http://www.kfs.go.jp)の「公表裁決事例要旨(国税通則法関係)」によれば、「隠ぺい、仮装の事実等を認めた事例」が59件、「隠ぺい、仮装の事実等を認めなかった事例」が59件となっています(2020年10月1日現在)。また、「請求人以外の行為」は17件(平成23年7月6日裁決を含めると、18件)あり、同裁決及び令和元年10月4日裁決を除き、全て重加算税の賦課決定処分を適法とするものですが(同日現在)、第三者の行為を納税者の行為と同視することはできないなどとして、重加算税の賦課決定処分が取り消された裁判例も存在します。
これは、冒頭の「その趣旨とするところを超えて重加算税の賦課対象が安易に拡大されることは避けなければならないであろう。」というメッセージに反して、広く「特段の行動」が認定され、重加算税が課されたところを是正した結果ということもでき、また、第三者の隠ぺい仮装行為を理由とする重加算税の賦課決定処分の適法性の判断の難しさにあるともいえます。
本書では、調査、不服申立て、訴訟の各段階において、重加算の賦課要件に関して、正当な権利を主張するための一助となることを願って、重加算税の取消判決・裁決(納税者が勝った事例)を整理し、詳細な解説を加えました。また、類似の事案で、請求を棄却した裁決・判決(納税者が負けた事例)を併せて解説したほか、課税庁側の視点も適宜付記しました。