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[BOOKデータベースより]
文豪と言われる人の作品の中でも、常に人気のある『人間失格』。その普遍性をクリアにし、現代に引きつけながら読み直す。いまを生きるヒント。
序章 「はしがき」超訳解説―三葉の写真
[日販商品データベースより]第1章 「第一の手記」より(道化の仮面)
第2章 「第二の手記」より(級友・竹一に見せた素顔;酒、煙草、淫売婦;ツネ子との出会い、そして死)
第3章 「第三の手記」より(故郷からの絶縁;ヨシ子との出会い、そして結婚;無垢の信頼心;人間失格)
終章 「あとがき」超訳解説―もう一つの視点
本書では、齋藤孝先生が『人間失格』の世界を「超訳解説」していきます。
超訳解説とは、太宰治や主人公の葉蔵の心情を読み解き、小説には書かれていない部分を想像しやすいように補完していくことです。
太宰や葉蔵が抱える世間への恐れ、生きるうえでの「ぎこちなさ」。
SNSの普及によって、新たな世間、「ニュー世間」ともいうようなものが形成された現代は、この感覚を誰もがリアルに共有できるはず。
その普遍性をクリアにし、いまを生きるヒントにする。
それが「超訳」であり、この本の目的です。
「超訳解説」は自分の内面を探る最高のガイド
本書では、小説「人間失格」を8つのブロックに分けて「超訳解説」します。
たとえば次のように。
・「恥の多い人生を送って来ました。」に秘められた意味
有名なこの一文について、齋藤先生は、「恥」こそが日本人の心情をひも解くキーワードだといいます。恥を知ることは、品性を持っていることであり、道徳心の表れである。多くの人は、恥を知り、世間とのズレを埋めるために何かしらの仮面をつけている。そこで大切なのは、「自分は何の仮面を被っているのだろう」と意識することです。
・居丈高に正論を語る人たちへの対処
葉蔵の周りには、葉蔵の嘘をとがめ、正論を述べる人たちがいます。正直者の皮を被り、責め立てることで自分の立場を強くするような人たち。それらを、有名人のスキャンダルを叩く現代の人たちになぞらえ、主体性や軸を持つことの大切さと方法を伝えます。
・なぜ簡単に死を選ぶのか
葉蔵は、ツネ子という女と、大した理由もなく、鎌倉の海で心中未遂をおこします。この感覚を生と死の「地続き感」とし、「YOASOBI」や「ヨルシカ」などの夜系アーティストに若者たちが心酔する現代の状況と合わせて、ひも解いて行きます。
こうして、世間を恐れて偽りの自分を演じる葉蔵の心を探るうちに、「自分のことが書かれている」と思えてくるでしょう。そんな「共感的読書」体験は、自分の内面を探る最高のガイドにもなります。
齋藤先生から、葉蔵によく似たあなたへ
各ブロックの最後に、「葉蔵とよく似たあなたへ」として、齋藤先生からの手紙を用意しました。
そこには、葉蔵と同じ苦しみを抱える「あなた」への、生き方のヒントが書かれています。
本書を読めば、『人間失格』のストーリーと意味を理解し、自分ごとに置き換え、解決策までも得ることができる。これが「超訳」の力です!