[BOOKデータベースより]
小学六年生の速人、潤子、強士の三人は逆境にも負けず、どんなときも、懸命に走っていた。ある日、強士は唯一の肉親である母親を亡くし、ひとり、施設へ入ることになる。三人は離れ離れになってしまうが、再び、夏に集まって、いっしょに走ることを約束する…。
[日販商品データベースより]小学六年生の速人、潤子、強士の三人は逆境にも負けず、どんなときも、懸命に走っていた。
そんな三人をいつも見守っていた光々寺の住職さんは、三人を「さるすべりランナーズ」と名付ける。
ある日、強士は唯一の肉親である母親を亡くし、ひとり、施設へ入ることになり、強士は、速人と潤子と離れ離れになってしまう。
三人は再び夏に光々寺に集まり、一緒に走ることを約束する……。
強士が施設で出会った蓮、洋一郎、奏太、ひなが仲間に加わり、七人となった「さるすべりランナーズ」は、「虹のランナーズ」として、苦しいときも、悲しいときも、まばゆい光りかがやく七色の道を走り続けていくことを誓う。
母親との死別、両親の離婚による環境の変化やいじめ、親の虐待、災害によって家族を亡くすなど、それぞれが様々な困難な状況にもめげずに、お互いを励まし合い、ひたむきに走り続ける速人たちの姿に、勇気と生きる希望がもらえる青春物語。
光々寺にある、おおきなさるすべりの木。その、さるすべりをゴールにして、日々短距離走のトレーニングに励む少年少女たちがいました。両親の離婚により、おおきな環境の変化にさらされている潤子。腎臓の悪い母を支え、共に病気と戦う強士。そんなふたりに感化され、走ることの楽しさに目覚めた速人。光々寺の住職さんから「さるすべりランナーズ」と呼ばれている彼らは、走ることを通して、強い絆で結ばれていました。しかし小学校卒業を間近に控えたある日、闘病中だった強士のお母さんが、亡くなってしまいます。お母さんが唯一の肉親だった強士は、町を離れて養護施設に入ることに。さるすべりが花を咲かせたころ、またいっしょに走ろうと約束を交わして、「さるすべりランナーズ」は離れ離れになってしまいます。ところが、彼らを待ち受ける苦難は、まだはじまったばかりだったのです。両親の虐待から逃れて施設に入った少年、優。「なにがあっても、絶対に手を出すな」というルールにより、いじめの標的にされている、施設の子どもたち。そして、突如として日本を襲った、東日本大震災。次々と降りかかる逆境の中で強士は、負けることに慣れてきている自分に気がついてしまいます——2004年に岩崎書店から発売された『さるすべりランナーズ』から16年。出版社を超えて、あの「さるすべりランナーズ」が読者の元へ戻ってきました。前作で小学六年生だった「さるすべりランナーズ」は、本作中盤から中学生となり、あたらしい環境の中で、ふたたび多くの問題に立ち向かうことになります。虐待されている少年、優を連れ戻しにきた両親との、壮絶な対面。強士ら施設の子どもたちや、貧しい潤子に向けられる、差別や偏見の目。そして、ぜったいに負けられない勝負での、敗北。「オレの人生は、ずっと向かい風だった。追い風など一度も吹いたことがなかった」著者の浅田宗一郎さんは、作家であり、住職でもあります。そんな著者だからこそでしょうか、本作に描かれている試練には、生々しい理不尽さがあります。なぜ、努力家で、やさしい、強士のような人間が、苦しむことになるのか。なぜ、いつも他人を見下し、傷つけるような人間が、英雄のように扱われるのか。「それが現実です。正直で真面目なものが勝つとは限りません」速人が投げかける疑問に、住職さんはそう答えます。そして、だからこそ人間には、互いを支え合う心のつながりが必要なのだと——子どもたちの肩にのしかかる、あまりにも重い苦難の数々。「さるすべりランナーズ」と、あたらしい仲間たちは、その試練にどう向き合っていくのか?短距離走に青春をかける少年たちの、おおきな勇気の物語です。
(小説家 堀井拓馬)
どうにか報われてほしいと思わずにはいられない物語でもあります。
虹のランナーズは、強く優しく逞しい。
きっと心豊かな温かい大人になりますね、なってほしい。
世の中理不尽なことも多いし、子供は環境や境遇を選べない。
色々考えさせられる1冊に思いました。
子供だけでなく大人にも読んでほしい物語ですね。(まゆみんみんさん 40代・兵庫県 女の子11歳)
【情報提供・絵本ナビ】