- 三島由紀夫
-
なぜ、死んでみせねばならなかったのか
シリーズ・戦後思想のエッセンス
- 価格
- 1,100円(本体1,000円+税)
- 発行年月
- 2020年10月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784140818329
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[BOOKデータベースより]
ノーベル賞候補だった日本社会のスーパースターは一九七〇年、自衛隊に乗り込んで派手な自決を遂げる。この事件のもつ意味を、どうすれば理解できるのか?その最大の鍵は、自伝的作品『太陽と鉄』にあった。「これがわかれば、僕のやっていることが全部わかる」と三島自身が評した本作に基づいて、本書は、「言葉」と「現実」の関係の必然的な展開として、作風の変遷と作家の「思想」の構造を精確に描き出す。衝撃の「三島事件」から半世紀後にようやく登場した、気鋭の批評家による簡明かつ本格的な三島由紀夫論。
序章 「本当のことを話して下さい」(三島由紀夫のドッペルゲンガー―「荒野より」;三島由紀夫の「秘められた思考」―『太陽と鉄』の弁証法;三島由紀夫の「思想」を読むということ―本書の方法)
[日販商品データベースより]1 「椿事」を夢見る少年(「女の部屋」から生まれた文学―三島由紀夫の幼少年期;白蟻に蝕まれた白木の柱―『太陽と鉄』(1);少年のナルシシズム―「酸模」と「詩を書く少年」;イロニーとしての「海」―日本浪曼派と「花ざかりの森」;「椿事」を夢みる少年―「煙草」が描く火事)
2 古典主義の「resignation(忍苦・諦念)」(「戦後」に生き延びてしまうということ―三島由紀夫の挫折;「夜の思考」から抜け出すために―『盗賊』から『仮面告白』へ;「太陽」に照らし出された「肉体」―『太陽と鉄』(2);古典主義の「rosignation(忍苦・諦念)」―「海と夕焼」;三島由紀夫の「コンフェッション」―『金閣寺』)
3 「われら」に向けての跳躍(永続することのない「陶酔」―『鏡子の家』のニヒリズム;「死」を呼び寄せる「肉体」―『太陽と鉄』(3);「至福」というものの姿―「憂国」と二・二六事件;「敗北」の形而上学―「天皇」・『サド侯爵夫人』・『わが友ヒットラー』;「われら」に向けての跳躍―『太陽と鉄』と「文化防衛論」)
終章 「肉体」より先に「言葉」が訪れるということ(三島由紀夫の「宿命」―エピローグ「F104」;「安全弁の欠如」について―「林房雄論」;戦後日本とポストモダン―三島由紀夫と私たち)
これ1冊で作家の全体像がつかめる
戦後日本社会のスーパースター、ノーベル文学賞候補にもなっていた天才はなぜセンセーショナルな最期を迎えたのか? 従来、作品に三島の天稟を認め心酔する読者も、1960年代からの彼が見せていた右翼的行動とその劇的な自決に対しては評価を保留する傾向――いわば作品と作家(思想)を分離する傾向があった。しかしもうこの分離は必要ない。彼の「言葉」が「行動」を求めたのは必然だったのだ。本書は、三島自身が「これがわかれば僕の全部がわかる」とした作品論『太陽と鉄』に基づいて作家履歴を3つに分けて読み解き、天才少年が肉体右翼として自決に至るまでを必然的な1本の筋道として描く、万人向けの入門書である。