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[BOOKデータベースより]
和歌表現という新たな指標を用いることで、これまでの『源氏物語』享受史研究を塗り替えることを試みる。『源氏物語』の表現に着目し、表現の類同性と、表現摂取の方法について論じる。前半部は、作中の表現と同時代の和歌表現との比較を通し、その表現の背景を詳らかにしていく。後半部は、平安時代中期から後期にかけて、『源氏物語』の表現が和歌に摂取されていく過程・受容の諸相を、実証的な調査検討によって明らかにする。全編を通して、和歌と散文作品との接点を丁寧に紐解きながら、平安時代中期から鎌倉期にかけての文学的交叉を浮かびあがらせ、物語摂取の具体的様相を文学史に位置付けた意欲作。
第1部 平安文学における類同表現とその解釈(『源氏物語』の菊と紅葉―一条朝前後の好尚と表現史;『源氏物語』の“風に吹かれる竹”と同時代和歌;六条御息所の弔問歌―さし置くという行為の意味するもの;『源氏物語』幻巻と月次屏風の世界;大中臣家重代歌人の表現踏襲―家集を用いた歌の学習と詠歌 ほか)
[日販商品データベースより]第2部 平安時代和歌から見る『源氏物語』受容の黎明(藤原妍子周辺女房の哀傷歌と『源氏物語』;源師房歌合と『源氏物語』摂取の黎明;祺子内親王家歌合における『源氏物語』摂取と源師房;九月十三夜詠の誕生―端緒としての『源氏物語』摂取;「扇のつま」に歌を書きつける―『大鏡』の大斎院選子と『源氏物語』 ほか)
『源氏物語』の表現に着目し、表現の類同性と、表現摂取の方法について論じる。前半部は、作中の表現と同時代の和歌表現との比較を通し、その表現の背景を詳らかにしていく。後半部は、平安時代中期から後期にかけて、『源氏物語』の表現が和歌に摂取されていく過程・受容の諸相を、実証的な調査検討によって詳らかにする。全編を通して、和歌と散文作品との接点を丁寧に紐解きながら、平安時代中期から鎌倉期にかけての文学的交叉を浮かびあがらせ、物語摂取の具体的様相を文学史に位置付ける。和歌表現という新たな指標を用い、これまでの『源氏物語』享受史研究を塗り替えることを試みる。