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[日販商品データベースより]
私の人生には「突然の事故」など起きるはずがない。そう思っていた。いつも不慮の事故は、私以外の誰かの身の上に起きるもので私には関係ない。そう思って生きてきた。ところが、誰にでも思いがけない不幸は降りかかることがあると実感してから、いつも不幸せの影におびえている自分。私は大丈夫という神話はあっさりと覆されて、誰の身にも起こって不思議はないのだと分かった。
だから今日を生きていることを、ありがたいと思える。死ななかった息子が、成長していることが感謝だと思える。
時々、もしかすると息子はあの日、死んだのではないか。私は、あまりの悲しみに現実を受け入れることができない哀れな母親で、あの日からずっと夢を見ているのではないかと、怖くなることがある。どうか夢なら醒めないで、どれほど願って過ごしてきたことか。
そのうちに気まぐれな死神の気が変わって、私の息子を迎えに来るのではないかと怯えた日々。
いや、息子は確かに命を救われて、今も生きている。事故から十年が過ぎた今になって、やっと自分の足で立つことができるようになった。長い道のりだったようでもあり、あっという間のことであったようでもあり。しかし、そろそろ息子は私の助けを必要としなくなっている。自分の翼で飛び立とうとしている。