[BOOKデータベースより]
私たちが考える共生学
第1部 共生学とはなにか(違和感、不快感と不断の交渉―共生の相互作用的基盤について;「共生」の位相を巡る思想史―小さな物語の横溢?大きな物語の欺瞞?)
第2部 今を生きる(「地域共生社会」の再検討―高齢者を起点とする多世代共生の実践;フィールド栄養学からみた食と健康―インド・ヒマラヤ高地の遊牧民と難民を事例として;戦時性暴力と地域女性史―フェミニズムが支えるスピークアウト;なぜ子どもたちが知らないままでいることを望むのか?―学校で包括的性教育を実施することの困難とその解決に向けて)
第3部 ともに生きる(国際的支援と住民の自助を再考する―ケニア・スラムの無認可私立学校を事例として;共生社会にむけての共創―宗教と科学技術による減災のアクションリサーチから;共生のグループ・ダイナミックス、その技法―中越地震からの復興過程を通して)
第4部 さまざまな共生のかたち(死者との共同体―記憶の忘却と存在の喪失;消滅というリアリティに向き合う―非人間的な存在との関わりを捉えなおす;共に治す―人新世における人間と植物の共生をめぐって)
補論:共生学はどこからきて、どこへむかうのか
環境共生、人間共生、多文化共生など、「共生」に関するさまざまな個別研究が広がるなかで、「共生学」という新たな学問の開拓に挑戦する。「他者との出会い」「グローバリゼーション」という基礎的概念から出発し、高齢者、食と健康、フェミニズムと地域史、性教育と学校、国際協力、宗教と科学技術をめぐる共創、災害復興とボランティア、死者、潜在的な他者、植物といった共生にまつわる諸課題への実践を包含・体系化し「共生のフィロソフィー」「共生のサイエンス」「共生のアート」として整序する。大阪大学大学院人間科学研究科が宣言する「共生学」とは何か。『共生学が創る世界』(2016年刊)発展編。
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