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「倭」から「日本」へ。「日本」という国家が成立したそのとき、列島にいったい何が起きていたのか。時は7世紀から8世紀、その建国の様子をイメージとしてつかむため、内外の文献や考古資料を駆使し、東国という具体的地域に焦点を当てる画期的な作戦に打って出た。従来の都中心の古代国家成立論とは一味違う、列島全体を俯瞰した歴史書の誕生!
はじめに―危うい「祝日」がひもとく史実
第1章 日本という国家の成立
第2章 天・東・夷―入れ子構造の「日本」
第3章 東国で国家を準備した者たちの出自と伝承
第4章 東国貴族の登場―東国六腹朝臣
第5章 東国貴族と日本という国家の成立
第6章 結びつける力―日本語・地域・仏教と東国
おわりに―日本となった東国
私たちの国がいつ「日本」となったのか、小学校や中学校では何も教えてくれません。
本書は、まず内外の史書を駆使し「日本という国家の誕生」の瞬間を絞り込むことから筆を起こします。そのとき、中国・唐の地で何があったのか。「日本」と命名した理由とは? 「日本」誕生と大王が天皇となるのはどちらが先か。「天皇」という称号の思想とは?
次に、「日本」という国家が誕生したとき列島に何が起きたかを見る方法として、東国と呼ばれる関東を中心とする地域に焦点を当て、文献や考古資料などから解読を進めます。
そこから浮かび上がってきたのは、貴族が民衆と一緒になって巨大災害に立ち向かっていく姿であり、わけても渡来人の多方面での活躍の様子が見てとれたのです。石碑から読み書きできる日本語の誕生の姿が確認され、仏教が日本人の心性を揺り動かすあり方も見えたのです。律令国家・日本の内実を問う試み。
従来の都中心の古代国家成立論とは一味違う、列島全体を俯瞰した歴史書の誕生!