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[BOOKデータベースより]
全球団が同じ数字や技術にアクセスできるようになり、データを巡る状況に差がなくなった中で、新たな優位は数値化したり統計モデルに組み込んだりすることがほぼ不可能なところからもたらされるのかもしれない。言い換えれば、人工知能の隣には常に人間の知能のための場所が存在するだろうし、それは野球界に限った話ではない。これから先も、直感が果たす役割はきっとあり続けるはずだ。
プロローグ 判事
[日販商品データベースより]第1章 直観
第2章 オタクの洞窟
第3章 気品のある野獣
第4章 成長マインドセット
第5章 サーフィン好きなペイトン・マニング
第6章 つまずきの夏
第7章 カルロス・ベルトランを探して
第8章 残り2秒
第9章 ワールドシリーズ
結び アストロワールド
2018 旅立ち
成長志向やひたむきさ、チームの和やリーダシップといった、数値化になじまない「ソフトな情報」を駆使したスカウティング・チームビルディングがアストロズを変えた。
弱小球団が初の世界一を成し遂げるまでの軌跡。
日本語版への序文はプロ注目の評論家・お股ニキ @omatacom。
<本書には野球のすべてが詰まっている。『マネー・ボール』『ビッグデータベースボール』に次ぐ、アメリカデータ野球の最新版にして最高傑作が本作『アストロボール』である。>
<ただし、アストロズがこうした成果を出す過程で、球史に残る汚点を作ったことに触れないわけにはいかない。
2020年1月13日、MLBのコミッショナーは調査結果を発表し、アストロズが2017年のシーズンを通して、および2018年のシーズンの途中まで、電子機器を使用して試合中に相手チームの捕手のサインを盗んでいたと断定した。(中略)
チームワークや若手へのアドバイスといった貢献は数値化が難しいものであるが、こうしたこれまで数値化されてこなかった直感的な部分を軸とした独自のスカウティングこそ、本書から学ぶべきビッグデータ時代の人事である。アストロズの躍進は決してサイン盗みだけによるものではない。それはそれ、これはこれとして、チームの功罪は区別して考える必要があるだろう。>