- 松本清張が「砂の器」を書くまで
-
ベストセラーと新聞小説の一九五〇年代
早稲田大学エウプラクシス叢書 021
- 価格
- 4,400円(本体4,000円+税)
- 発行年月
- 2020年01月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784657208026
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 宮沢賢治とベートーヴェン
-
価格:2,640円(本体2,400円+税)
【2008年10月発売】
- 小説は環流する
-
価格:4,400円(本体4,000円+税)
【2018年03月発売】
- 浮き世のことは笑うよりほかなし
-
価格:1,870円(本体1,700円+税)
【2009年03月発売】
[BOOKデータベースより]
ミステリーよりスリリング。学術書はエンターテインメントだ!松本清張と新聞の深い仲。暴かれる『砂の器』の真実。
松本清張と新聞小説の一九五〇年代
[日販商品データベースより]第1部 新聞小説家と私小説家(マスメディアの中の小説家―新聞小説家としての石川達三;新聞小説家の意見―石川達三の「自由」談義;ブームとなった私小説家―川崎長太郎の読者戦略)
第2部 清張、新聞小説を書く(新聞小説第一作―「野盗伝奇」論;清張は新聞小説をどう書いたのか―「黒い風土」の執筆風景;ブロック紙の読者への戦略―新聞小説としての「黒い風土」)
第3部 「砂の器」を読む(全国紙の新聞小説への挑戦―「砂の器」のたくらみ;“眼”から“耳”へ―「砂の器」を聴く;「砂の器」以降の清張、あるいは新聞小説についての覚書)
清張はいかにして国民的作家になったのか ?!
新進作家が地位と名誉とカネを手に入れ「現代の英雄」になるためには、マスコミの王者といわれた新聞で連載小説をヒットさせるのが近道だった。特に新聞が圧倒的存在感を示した1950年代は、そうであった。清張初の新聞小説「野盗伝奇」(1956年)は、共同通信の配信を通じて地方紙の夕刊に掲載された。新聞小説は掲載が夕刊か朝刊か。地方紙かブロック紙か、それとも全国紙かによって作家の成否を分けたと著者は分析する。読売新聞で1960年に連載が始まる「砂の器」により、清張は「現代の英雄」に大きく近づいた。とはいえ、全国紙から与えられた紙面は夕刊にすぎなかった。1000万人の読者数を誇るのは夕刊ではなく、朝刊だった。
清張が超えなければならない壁は三つあった。一つは、全国紙の朝刊を占めていたベテラン作家たち。残る二つとは…。
小説のうち今も最大の読者数を持つ新聞小説。その新聞小説と作家の深い関係に迫る著者の考察力は、学術書の領域を飛び越え、清張の推理小説に共通するスリリングさと展開力にあふれている。