- あなたの知らない政治家の世界
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スウェーデンに学ぶ民主主義
SWEDEN THE UNTOLD STORY- 価格
- 3,520円(本体3,200円+税)
- 発行年月
- 2019年12月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784794811417
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【2022年02月発売】
[BOOKデータベースより]
年収約888万円(2019年現在)の国会議員は何をしているのか?北欧5か国の中でもGDPが一番高いスウェーデンだが、その報酬額は北欧中最低となっている。地方議会の議員に至っては、ほとんどの場合報酬はない。国会議員の宿舎は質素なもので、通勤や移動に公共交通機関を使うというのが常である。「民主主義の先進国」と言われるスウェーデンの知られざる姿が明確にされ、徹底した情報公開と国民の政治参加、そして監視システムが民主主義の根幹を担っていることがよく分かる。
第1章 贅沢や特権というものは皆無(首相が教える掃除のコツ;国会議員の宿舎 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 透明性―見張りを見張るのは誰か?(政府の透明性;国会議員の支出に目を光らせる ほか)
第3章 汚職を許さない(モタラの事件;トブレローネ・スキャンダル ほか)
第4章 スウェーデンという国(この国のはじまり;飢え、貧困、街中の豚 ほか)
スウェーデンが人口では日本のわずか10分の1でありながら、イノベーションに優れ、多くのユニコーン企業(評価額10億ドル以上で非上場のベンチャー企業)を生み出し、発信力があり、また1人当たりGDPでは日本をはるかに上回る豊かな福祉国家であることは皆の知るところだ。そんなスウェーデンの国会議員はいくら議員報酬を貰っていて、どんな生活をしているのだろう。
北欧5か国の中でも最大のGDPを誇るスウェーデンだが、国会議員の報酬は北欧中最低だ。地方議会の議員に至ってはほとんどの議員が無報酬である。国会議員の宿舎は気の毒なほど質素で、通勤や移動には公共交通機関を使うのが普通だ。それはなぜか。
スウェーデンは「閣下」などという敬称を廃止、誰もがシンプルに「あなた」と呼ばれる平等社会である。政治家も同じで、庶民を代表する政治家は庶民感覚が分かる人でなければならない。権限のある人には説明責任があり、全ての情報は一般に公開されなければならない。スウェーデンの民主主義は、まさに政治権力の透明性が鍵となっている。そして、それは世界最古の透明性を確保する法律(情報公開法)によって監視されている。この法律のおかげで、ジャーナリストがあらゆる情報にアクセスでき、国民も情報開示によって権力の監視ができる。ただもちろん、国民が政治に関心がなければ監視の意味もないが、高額の税金を払っているスウェーデンの国民はその使い途にも敏感だ。
民主主義の先進国と言われるスウェーデンの知られざる姿を鮮やかに描き出した本書を読むと、徹底した情報公開と国民の政治参加と監視が民主主義の根幹を担っていることがよくわかる。民主主義が揺れている今、それはどうすれば再び正常に機能するのか、本物の民主主義とは何かを考えさせてくれる1冊である。(アップルヤード・かずみ スウェーデン大使館政治経済担当官)