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[日販商品データベースより]
一昨年に半寿となったのを機に、自宅の本棚を整理していたら、隅の方から、ボロボロになった一冊の本が見つかった。幼き頃、母から貰ったもので、表紙は剥がれ、中身も一部が破損したり汚損したりしていた。
これは、昭和十四年一月、講談社の雑誌「キング」新年号附録として発行されたもので、「考えよ! そして偉くなれ」と題する小冊子である。
ところで、「偉くなれ」とか、「出世する」という言葉の意味は、日本では長い間“いやらしいもの”あるいは卑屈なもの”として誤解され、軽蔑されてきた。
ここで「偉くなれ」という場合、全体主義的国家の中での「偉くなり方」とは全く違い、個々人が志を立てて、それぞれの道で「偉くなる」「立派な人間になる」ことである。
この本には、数多くの偉人英傑大成功者が登場するが、その「偉くなり方」はそれぞれに違う。大統領として偉くなっている人もいるし、軍人として偉くなっている人もいる。まんじゅう屋の主人の話もあれば、うなぎ屋の主人もいる。二宮尊徳もいれば、相撲の大関もいる。
このように見てくると、この本の中に流れている思想は、どの話にも云えることであるが、「成功の秘訣」とは、突き詰めれば、昔或る高僧が云われているように「本人の努力」「他人の援助」そして「神仏の加護」の三要素が必要ということになるであろうか。
少年時代の私は、この本を手元に置いてよく読んでいた。特に興味を惹かれる話は、何度でも繰り返して読んだものである。そして何年か間をおいて、又、読み返して見る。そうすると、同じ内容でも、読む時代ごとに感じ方というか、理解の仕方が少しづつ違ってきていたと思う。
兎も角、この本は、私にとって母から授かった「わが青春のバイブル」であったと思っている。
この本は百十一話から構成されているが、内容的に今の世情にそぐわないと思われるもの、破損、汚損などのため、内容が読み取れないものを除き、九十一話を撰び出し、その復刻と若干の解説を試みたものである。