- あのひと
-
スタジオジブリ 徳間書店
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット 谷川俊太郎- 価格
- 2,420円(本体2,200円+税)
- 発行年月
- 2019年10月
- 判型
- A4
- ISBN
- 9784198649616
[BOOKデータベースより]
第73回アカデミー賞短編アニメーション映画賞を受賞した「父と娘」(2000、旧邦題「岸辺のふたり」)、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門特別賞を受賞した「レッドタートル ある島の物語」(2016)を監督したマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットと、詩人谷川俊太郎が描く“愛”―。
[日販商品データベースより]アニメーション映画監督、
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットは、
2016年スタジオジブリの提案で、
「レッドタートル ある島の物語」を制作しました。
これは、孤島に流された一人の男が、
亀の化身である女性と出会い、
一生を島で過ごし、やがて死を迎え、
女性は亀の姿に戻り海に帰っていくという物語で、
「人間の限りある時間」と、それと対照的な
「永遠にも匹敵する亀の生きる時間」を、
美しい自然を背景に描いたともいえる
ファンタジーでした。
ケルト文化にも関心が深く、
超自然的な生き物への憧れを抱くマイケル監督は、
この絵本でもやはり
「時間」を超越した存在への憧憬を
一人の女性を探し求める男性の姿を借りて
描いています。
「この物語のヒントは、大好きなアイルランドの詩人
ウィリアム・バトラー・イェーツ (1865-1939)の
“さまよえるイーンガスの歌”にある」と
マイケル監督は語っています。
イェーツもまた、ケルト文化を愛して
不思議な夢想に満ちた詩や物語を書いた
ノーベル文学賞作家です。
イェーツのこの詩を念頭におきながら、
日本の詩人谷川俊太郎は、
マイケル監督の完成度の高い絵に触発されて、
今回の絵本のテキストを綴っています。
そして、一人の男性があこがれ続けた永遠の女性
「あのひと」が、「このひと」になる瞬間を、
見事な詩で書き著し絵本として完成させました。
オランダ人マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットと
日本人の谷川俊太郎が、
アイルランドの詩人イェーツを媒介に
時間を超えてコラボレーションしたともいえるのが
この絵本です。
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「父と娘」(旧邦題「岸辺のふたり」)でアカデミー賞短編アニメーション映画賞受賞、「レッドタートル ある島の物語」でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門特別賞を受賞したマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット氏といえば、映画ファンには知られた存在かもしれません。1953年オランダ生まれのアニメーション映画監督である同氏が、構成と絵を描き、谷川俊太郎さんが訳した、詩的な存在感のある絵本です。私はひとり そらのした私はひとり くさのうえ私はひとり ひとりがいいあのひとを ゆめみてうっそうとした木々の中へ歩みをすすめるひとりの男。1本の枝に手をやり、折り取ろうとしています。きのうからきて あすへいくときをあゆんで 私はひとりいのちのままに いきているあったことのない あのひとをまって川に釣り糸を垂れ、魚を釣り、火をおこし、だれかをまっている……。そして、だれかが現れたように見えても、だれかが去っても、また面影を追って、ひとりで歩きつづけます。きっとあのひとを みつけだしきっとあのひとの てをとってと願いながら……。「あのひと」を探し求め、いつか自らの目の前で、そのひとの手をにぎることを、だれもが夢みているのだ、と切ない想いがわき上がります。同時に、淡々とごく飾り気なく描かれる、男の歩く姿、「あのひと」を求める姿に勇気づけられるのです。大人の心に響く本であり、思春期の入口に立つ子どもたちにとっても人生のテーマを考えさせる、印象深い絵本です。
(絵本ナビライター 大和田佳世)
【情報提供・絵本ナビ】