[BOOKデータベースより]
「シビリアン・コントロール」論の学説史を俯瞰し、日本の憲法解釈や蓄積された研究業績を検討し、日本的「文民統制」の論理構成を摘出、合わせて防衛問題に関する諸研究の中で論じられてきた自衛隊認識と「シビリアン・コントロール」の関係性を解明。自衛隊の“暴走”の可能性についても検討し、旧軍との差異を明らかにする。
序章 ミリタリー・プロフェッショナリズム論の検討
第1章 ミリタリー・プロフェッショナリズム論とシビリアン・コントロール論の形成と展開
第2章 公法学と「シビリアン・コントロール」
第3章 政軍関係研究におけるシビリアン・コントロール論
第4章 自衛隊は“暴走”するのか
終章 日本のシビリアン・コントロール論の課題
自衛隊は旧日本軍とは違う!
旧来の日本の「シビリアン・コントロール」論は、
合憲、違憲論者を問わず、
自衛隊の行動様式を
戦前暴走した旧軍と同じ“危険”なものと同一視し、
「文官統制」に象徴される
統制強化論と運用制約を中心とする管理論である。
それ自体否定すべきものではないが、やや硬直的な面があり、
現実に見合った柔軟な議論を進め、本来の統制のあり方とは、
如何なるものかが問われるべきである。
本書は、「シビリアン・コントロール」論の学説史を俯瞰
すると共に、日本の憲法解釈や蓄積された研究業績を検討し、
日本的[文民統制」の論理構成を摘出することに努め、
合わせて防衛問題に関する諸研究の中で論じられてきた
自衛隊認識と「シビリアン・コントロール」の関係性を
解明するものである。
そして、自衛隊の“暴走”の可能性についても検討し、
旧軍との差異を明らかにしようとしている。
現状、かつてより国民との距離が縮まっている自衛隊について、
多角的な分析研究をかさねることで、本書は、現実に役立つ
「シビリアン・コントロール」論の構築を提唱する労作と
なっている。