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[BOOKデータベースより]
高山樗牛、宮沢賢治らの心をとらえ、石原莞爾や血盟団の行動を促した日蓮主義とはいかなるものだったのか?帝国日本の勃興期に「一切に亘る指導原理」を提示し、国家と社会と宗教のあるべき姿(仏教的政教一致)を鼓吹した二大イデオローグ=田中智学と本多日生の思想と軌跡を辿り、それに続いた者たちが構想し、この地上に実現しようと奮闘したさまざまな夢=仏国土の姿を検証する。現代日本にまで伏流する思想水脈を問う大著。
近代日本と日蓮主義
[日販商品データベースより]田中智学と日蓮主義の誕生
本多日生の積極的統一主義
高山樗牛の日蓮論
仏教的政教一致のプログラム
「修養」としての日蓮主義
「日蓮主義の黄金時代」と日本国体学
石原莞爾と宮沢賢治、そして妹尾義郎
立正大師諡号宣下と関東大震災
観念性への批判、実践の重視
テロルの宗教的回路
攻撃される日蓮主義者たち
理想はどこに
アジアへ、そして世界へ
焼け跡に仏国土を!
【担当編集ノート】
本書の著者の大谷栄一さんは近代日本における仏教と社会の関係、なかでも「日蓮主義」が果たした役割を若き日から30年近く精力的に研究してきた方です。そのお仕事をこのたび大部の著作にまとめるお手伝いをするにあたり、編集者として感じたことを以下に記し、「刊行の主旨」「内容紹介」に代えるしだいです。
明治以降、内村鑑三、高山樗牛、宮澤賢治や北一輝などの思想家や文学者、満洲事変を主導した石原莞爾、血盟団事件の指導者・井上日召、「死なう団」の江川桜堂、創価学会創設者の牧口常三郎、新興仏教青年同盟の妹尾義郎など、さまざまな分野の多彩な人物が日蓮に傾倒しました。作家にして浄土宗僧侶だった寺内大吉はその著書『化城の昭和史』において「極右テロリズムから左翼の守備範囲へまで浸潤できる日蓮思想……」と述べているくらいです。いったい日蓮のどこにそんな魅力があるのか? また多くのインテリの心をとらえた親鸞に比してなにが違うのか……? 帝国日本の勃興期にあって日蓮の「思想」をイズムとして編成することに成功した二大イデオローグが、国柱会創始者の田中智学と顕本法華宗管長で統一団を結成した本多日生でした。二人とその支持者はいったいどのような国家像と社会のありようを求めていたのでしょうか。必ずしも日蓮主義はファナティックなものではありません。もともとそれは法華経を文献学的に吟味することを認め、同時に教義に基づいた個々人の純粋な信仰(belief)を重視する点できわめて近代的、ある意味でルター的プロテスタンティズムに近いものであるとさえ言えるでしょう。内村鑑三の信仰がJesusとJapanという「二つのJ」に支えられたものであったように、やがて日蓮主義の信仰はNichirenとNipponという「二つのN」の一致にこそ全世界を救う道があるという確信にいたります。智学・日生以降の世代においてその回路がテロリズムや東亜連盟、仏教社会主義などのさまざまなかたちで「国家社会のあるべき姿」として「模索」されるのです。
いずれにせよ日蓮主義に顕著なのは強烈な「此岸性」「在家性」「能動性」です。仏国土はこの地上にあり(娑婆即寂光)、人はそのために生きねばならない。あの林先生ではありませんが、「仏の国は、いつ、どこに?」と自問して「今でしょ! ここに造るんでしょ!」と奮闘していくのが日蓮主義者であると言っていい。その延長線上に敗戦後の創価学会の大躍進、公明党の結党が見えてくるでしょう(じつは田中智学も立憲養正会という政党をつくり、挫折しています)。つまり「日蓮主義」はいまでも生きているのです。本書は現代日本にまで伏流する思想水脈を問う渾身の一冊です。