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[BOOKデータベースより]
ドイツ帝国創成の軍事力を支えたものが一般兵役義務であったが、本書では国民皆兵に伴う社会的な繋がりによって形成された様々な言説についてドイツ帝国内におけるその位置と変化を検討する。
ドイツ第二帝政期における一般兵役義務言説
[日販商品データベースより]第1部 ドイツ統一戦争直後の一般兵役義務言説(義務・平等・安定―ドイツ統一戦争直後の帝国議会における一般兵役義務言説;比較のなかの軍隊―独仏戦争後の一般兵役義務とその正当化)
第2部 軍事テクノクラートの思考様式と軍事言説の急進化(軍事テクノクラートの世界内におけるフォルクスクリークと兵力動員―クラウゼヴィッツ『戦争論』を手掛かりに;「外敵」への対応と戦史叙述の政治化―コルマール・フォン・デア・ゴルツを中心に;「国内の敵」と「外敵」に対する二正面戦略―一般兵役義務をめぐる言説の転換と軍事雑誌上の言説の急進化;「外敵」に対する生存競争の道具としての精神―フリードリヒ・フォン・ベルンハルディを中心に)
補論 軍事的オリエンタリズム―ドイツ帝国における一般兵役義務と東洋言説
ドイツ帝国創成の軍事力を支えたものが、
一般兵役義務言説なのであった。
一般兵役義務については、軍国主義、軍事史研究の対象として
多くの論考がなされているが、
本書では、この一般兵役義務を、これに伴う社会的な繋がりに
よって形成された様々な言説とドイツ帝国内における国民皆兵の
位置づけとその変化から検討することで、当時における
その意義を見い出して行った。
第一部では、プロイセン・ドイツ軍の制度、軍事文化、
一般兵役義務の優位性に関する議会と軍の認識の
共通性と差異を検討し、軍事組織内言説の論理の正当化
とその自律性を保持しようとした姿を詳らかにする。
第二部では、戦争への実戦的な関心へ向かう軍内部の自らの
言説の論理立てが状況の変化にどう対応し、いかなる言説の
変化をもたらしたかを具体的に検証する。