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破綻にどう備えるか
毎日新聞出版 木内登英
点
起きるかどうかではなく、いつ、どこで、どのように起きるのか、それが問題だ。金融緩和と政治が、債務とフィンテックで脆弱化したシステムの崩壊をもたらす。元日銀審議委員が読み解く、世界経済の行方。
第1章 リーマン・ショックの傷跡(リーマン・ショックとは何だったのか;低下する世界経済の潜在力 ほか)第2章 危機は何度も現れる(過度な楽観論の再燃;債券市場こそが震源地 ほか)第3章 危機の引き金は何か(貿易戦争が経済・金融危機を引き起こす;米国によみがえる双子の赤字問題 ほか)第4章 ポピュリズムと格差(リーマン・ショック後の所得格差;グローバルな労働分配率の変化 ほか)第5章 危機後の世界(政策対応の余地は限られる;日本銀行ETF買入れ策の出口戦略 ほか)
世界経済に巨大な被害をもたらした「リーマン・ショック」から早10年、世界経済はさまざまな危機のシグナルを発し始めている。リーマン・ショック後に世界各国の抱える債務は大幅に増加。かつて中国政府が大幅な財政出動を行い世界経済を救ったような奇跡は、二度と起きない。世界経済全体の成長率が低下している一方で、日銀をはじめ各国が競って金融緩和を行い、通貨発行額は天文学的な数字に拡大、バブルの危険性が迫る。その一方で、世界経済がますますグローバル化するなか、自由貿易の提唱者である米国自身が、保護主義に回帰しようとしている。だがしかし、対中貿易戦争の結果は、ブーメランのように米国経済をもむしばむ。「ゆがみ」が拡大するなか、世界の経済・金融システムは、果たして今の状態を続けられるのだろうか。ポピュリズム的経済・金融政策が、大きな破綻を招く可能性に著者は警鐘を鳴らす。日銀による国債&ETFの大量買入れ、およびマイナス金利政策の導入によって、中央銀行の打つ手がつきている日本では、景気悪化により日銀が追加緩和に踏み切ることで、市場流動性が一層低下し、それが大きな相場変動のきっかけとなりかねない。貿易戦争の拡大、およびトランプ政権のポピュリズム的政策が双子の赤字問題を再燃させているアメリカでは、覇権のゆらぎによるペトロダラー体制のほころびが、強固に見えた米国の金融システムを水面下で腐食させている。政府債務を海外の米国債需要にょって無限にファイナンスしつづけるという錬金術が、はたして今後継続できるのだろうか。また、リーマン・ショック時に世界経済の牽引役となった中国は、いまだ実態が把握しきれない理財商品すなわちシャドーバンキングという爆弾を抱えている。米中交渉の行方もいまだ予断を許さない。次のリーマン・ショックはいつ、どこで、どのように起こるのか。元日銀政策審議委員としてアベノミクスに反対票を投じつづけた著者が、世界経済の行く末を占う。
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1位
又吉直樹
価格:1,320円(本体1,200円+税)
【2015年03月発売】
一覧を見る
[BOOKデータベースより]
起きるかどうかではなく、いつ、どこで、どのように起きるのか、それが問題だ。金融緩和と政治が、債務とフィンテックで脆弱化したシステムの崩壊をもたらす。元日銀審議委員が読み解く、世界経済の行方。
第1章 リーマン・ショックの傷跡(リーマン・ショックとは何だったのか;低下する世界経済の潜在力 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 危機は何度も現れる(過度な楽観論の再燃;債券市場こそが震源地 ほか)
第3章 危機の引き金は何か(貿易戦争が経済・金融危機を引き起こす;米国によみがえる双子の赤字問題 ほか)
第4章 ポピュリズムと格差(リーマン・ショック後の所得格差;グローバルな労働分配率の変化 ほか)
第5章 危機後の世界(政策対応の余地は限られる;日本銀行ETF買入れ策の出口戦略 ほか)
世界経済に巨大な被害をもたらした「リーマン・ショック」から早10年、世界経済はさまざまな危機のシグナルを発し始めている。
リーマン・ショック後に世界各国の抱える債務は大幅に増加。かつて中国政府が大幅な財政出動を行い世界経済を救ったような奇跡は、二度と起きない。
世界経済全体の成長率が低下している一方で、日銀をはじめ各国が競って金融緩和を行い、通貨発行額は天文学的な数字に拡大、バブルの危険性が迫る。
その一方で、世界経済がますますグローバル化するなか、自由貿易の提唱者である米国自身が、保護主義に回帰しようとしている。だがしかし、対中貿易戦争の結果は、ブーメランのように米国経済をもむしばむ。
「ゆがみ」が拡大するなか、世界の経済・金融システムは、果たして今の状態を続けられるのだろうか。
ポピュリズム的経済・金融政策が、大きな破綻を招く可能性に著者は警鐘を鳴らす。
日銀による国債&ETFの大量買入れ、およびマイナス金利政策の導入によって、中央銀行の打つ手がつきている日本では、景気悪化により日銀が追加緩和に踏み切ることで、市場流動性が一層低下し、それが大きな相場変動のきっかけとなりかねない。
貿易戦争の拡大、およびトランプ政権のポピュリズム的政策が双子の赤字問題を再燃させているアメリカでは、覇権のゆらぎによるペトロダラー体制のほころびが、強固に見えた米国の金融システムを水面下で腐食させている。政府債務を海外の米国債需要にょって無限にファイナンスしつづけるという錬金術が、はたして今後継続できるのだろうか。
また、リーマン・ショック時に世界経済の牽引役となった中国は、いまだ実態が把握しきれない理財商品すなわちシャドーバンキングという爆弾を抱えている。米中交渉の行方もいまだ予断を許さない。
次のリーマン・ショックはいつ、どこで、どのように起こるのか。元日銀政策審議委員としてアベノミクスに反対票を投じつづけた著者が、世界経済の行く末を占う。