[BOOKデータベースより]
三島由紀夫の精神的な「父」。敗戦時、隊長を撃ち拳銃自決した「ますらをぶり」の文人。初の本格蓮田善明論!
いまだ「解禁」されざるもののために―保田與重郎と三島由紀夫と蓮田善明
文学者の戦争―玉井伍長(火野葦平)と蓮田少尉
教育者・蓮田善明の「転向」付・二つの宣長論と二つの公定思想
文学(一)詩、短歌、俳句―趣味の自己統制
文学(二)古典論―大津皇子へ 付・キルケゴールと保田與重郎
内務班 帝国軍隊の理念と現実 付・杉本少佐と村上少尉
戦地(一)聖戦の「詩と真実」
戦地(二)「山上記」または美と崇高と不気味なもの
戦地(三)「詩の山」の『古今集』、または古典主義と浪曼主義
戦地(四)晏家大山と伊東静雄「わがひとに与ふる哀歌」
戦地(五)晏家大山または山巓のニーチェ
戦地(六)詩と小説の弁または戦場のポスト・モダン
文学(三)表象の危機から小説『有心』へ
文学(四)小説『有心』と『鴨長明』、または詩と隠遁
文学(五)小説『有心』―生の方へ、温かいものの方へ
文学(六)『有心』の三層構造―冷たいもの/温かいもの/熱いもの
文学(七)謎解き『有心』―再び「死=詩」の方へ
文学(八)「文藝文化」と危機の国学 付・三島由紀夫と安田與重郎
最期の蓮田善明―非転向者の銃口
蓮田善明(はすだ ぜんめい、1904〜1945年)は『鴎外の方法』『本居宣長』『鴨長明』などの著書のある国文学者、文芸評論家で、『文藝文化』を創刊し日本浪曼派として活躍。三島由紀夫に大きな影響を与えたことで知られる。出征し敗戦時にジョホールバルで連隊長を射殺し、自決した。/三島との関係で知られる蓮田善明は、日本浪漫派のなかでも重要な役割を果たした。井口時男はこの蓮田善明を、自決に至る戦争との関わり、そして文学との関わりを中心に描き出す。戦争と文学を考える上でも大きな存在であり、三島や日本浪漫派、保田與重郎を含めて蓮田善明を論じる、初の本格論考。
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