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人物評価は歴史が
ある人物の評価はその時は正しくなされなくとも(その時の権力者に恣意的に操作される可能性あるため)、その後の歴史が示すとはよく言われることであるが−例えば戦国武将の明智光秀などもその一例で最近、その人物像の再評価がなされつつある−、田中角栄もそれが必要なその1人なのではないかと思わせてくれる1冊(田中生存時は対立していた石原慎太郎の「天才」のその1冊)。田中元総理の生い立ちから出世、そして転落までを描いた本であるが、これを読むと田中角栄の人間的魅力が伝わってくる。もちろん、聖人君子ではないので、良いところも悪いところもあった人物だったとは思うが、非常に人を惹きつける魅力的な人物であったことは間違いないであろう。かかる人物を、あのような事件で失脚させてしまったことは惜しまれる。あのような事件とは言わずと知れた「ロッキード事件」で、当時は金権政治の批判渦巻く中、田中は総理を辞職、その後にこの事件が発生した。「巨悪打倒」をスローガンに連日マスコミも大きく取り上げ、まさに現在の劇場型政治のはしりだったように記憶している。キャストも豪華で、前総理に大物右翼の「児玉誉士夫」や政商「小佐野賢治」といった人物が登場し、世間の「巨悪」のイメージにぴったりマッチ。そのイメージをさらにマスコミが煽り、(誰かが裏で糸を引いていたのだと思うが)それに田中角栄の存在を良しとしない政治家・検察が乗っかり、彼を政治の表舞台から葬ったという構図に思える。いかに日本の政治・司法のレベルが、また民度が低いかを如実に示した事件であった。この状態は決して過去形ではなく、現在も続いている。当時、何の疑いもなく、検察の暴挙に喝采をおくっていた自らへの反省も踏まえ、マスコミに踊らさることなく、何が正しいのかを見極める目を持ちたい。