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- 利休にたずねよ
-
- 価格
- 935円(本体850円+税)
- 発行年月
- 2018年08月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784167911188
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茶道の話しではない
この物語は利休の切腹の日から始まる.利休は茶道において絶対的な審美眼を備えた人物として描かれ,なぜ秀吉から切腹を命ぜられたのか,どのように「美」を追求してきたのかが明らかにされてゆく.最後に五十余年に亘って利休の心に在り続けた女性との関わりから,利休が抱えてきた美への執着と虚無感の理由を知ることとなる.
これらのエピソードは時間を遡りながら進み,最後にまた切腹当日へと戻ってゆく.珍しい構成だと思うが,章間の繋がりにも破綻はなく謎解きがなされてゆく感があって非常に面白い.
それでありながら各章のみでも何ら問題なく物語として成立しており,筆者の力量の高さに唸らされる.個人的に気になったのは,同じ表現がかなりの頻度で見られることである.キーワードとして使っているのだろうが,ややうるさく感じられた(例「ねっとり」).ただこれは章間に跨いで,ということなので多くの方には気にならないことであろう.
「利休」と「茶道」の物語であるが,「一人の人間」と「感性に関わるもの(美)」と読み替えれば場所と時代を問わない普遍的なはなしと捉えることもできる.今も我々の身の回りに「利休」はいるのである.
茶道つながりで森下典子「日日是好日」と併せて読むのも一興.どちらも本質は茶道ではなくその向こうにある.
[BOOKデータベースより]
茶人は常に命がけで絶妙の境地を求める―。最後まで己の美学を貫き、天下人・秀吉に疎まれ、切腹を命ぜられた千利休。心の中にいつも棲んでいたのは、十九のときに、殺した女だった…。利休に艶やかな感性を与えた、その秘めた恋と人生の謎に迫る山本文学の金字塔。第140回直木賞受賞作。浅田次郎氏との対談を特別収録。
[日販商品データベースより]わしが額ずくのは、美しいものだけだ──
最後まで己の美学を貫き、天下人・秀吉に切腹を命ぜられた千利休。
その心の中にいつも棲んでいたのは、十九のときに、殺した女だった……。
利休に艶やかな感性を与えた、秘めた恋と人生の謎に迫る 山本文学の金字塔。
圧倒的な筆力をもって描かれた第140回直木賞受賞作。
2013年には市川海老蔵主演で映画化され、モントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞受賞。
本文より─
なぜだ。なぜ、あんなふうにいともあっさり、美しいものを見つけ出すことができるのか。 ─秀吉
──聡すぎはしまいか。聡い男は重宝されても、聡すぎる男は、嫌われる。─家康
あなた、ほんとうにわたしでよいのでしょうか。─宗恩
2014年に惜しくも逝去された著者と浅田次郎氏との直木賞受賞記念対談も収録。
刊行にあたり浅田氏からは「対談によせて」というお言葉もいただいてます。