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出自のちがうアメリカの八人の高校生が、広島と長崎に落とされた原爆の是非について語り合う。日系アメリカ人のメイは、否定派の一人として演壇に立つことになった。アメリカ在住の著者が若い世代に問いかける、「戦争」の歴史と記憶。中学生から。
[日販商品データベースより]アメリカの8人の高校生が、広島・長崎に落とされた原子爆弾の是非をディベートする。肯定派、否定派、それぞれのメンバーは、日系アメリカ人のメイ(主人公)をはじめ、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系と、そのルーツはさまざまだ。はたして、どのような議論がくりひろげられるのか。そして、勝敗の行方は?
広島、長崎への原爆投下は、必要だったか——大人でも、この問いをきけばギョッとして身構えてしまいませんか?原爆投下は正しい、あるいは仕方がない判断だったと考える人々がいて、反対にそれを、まったく邪悪で愚かなまちがいだったと考える人々がいる。どちらも、決して少なくない意見として、この世界に存在しているのです。主人公は、アメリカに住む15歳のメイ。日本人の母と、アメリカ人の父をもち、四歳まで日本に暮らしていた女の子です。彼女はひょんなことから、とあるイベントに参加することになります。そのイベントとは、「ディベート」。ひとつの議題についてふたつの陣営で討論して勝敗を決める、スピーチの格闘技!そしてその議題こそ、「広島、長崎への原爆投下の是非」だったのです。彼女が戦うことになるのは、同じく日本にルーツをもちながら原爆肯定派として舞台に立つケンや、かつての日本のおこないに特別な感情をいだいている、中国系アメリカ人のエミリー。彼らとメイはディベートを通して、教科書では学べない歴史の意外な一面や、当時を生きた人々の生々しい心情に触れることになります——本作であつかっているテーマは、悲惨きわまりない歴史を背景とした、非常に深刻なものです。この作品のみどころは、そうしたテーマをディベートという競技におとしこんだことで、勝負の展開に目が離せないワクワクと、青春物語としてのさわやかで切ない味わいを楽しむことができる一冊になっているところ!それでいて、この作品の伝えるメッセージはどこまでも厳粛です。差別という感情が、いかに根深く人々の行動をあやつっているのか。それぞれの文化や個々人の価値観で、歴史とはいかに解釈の異なるものなのか。原爆投下が地球の歴史において、どれだけ深刻で決定的なできごとだったのか。メイたちが情熱をもって語る歴史観には、その他にもかんたんには要約することのできない、多様なメッセージがふくまれています。アメリカという文化のなかで生きる、さまざまな人種のティーンエイジャーを通して歴史を学ぶことは、原爆や戦争をあらたな角度で見つめなおす、重要なきっかけになってくれました。本作のクライマックスに、こんな一説があります。「一冊の本には人を動かす力があり、人を変える力もある」この作品もまた、まさしくそういうパワーをもった一冊です。
(小説家 堀井拓馬)
原爆肯定派と原爆否定派に分かれて、公開討論会が行われる様を描いた物語です。
双方どちらの意見も耳を傾けるべきなのでしょう。
求めるのは双方平和です。
巻末に核に関する出来事と世界の出来事の年表が載っています。本書以外にも触れた年表です。
過去のことではなく、より良い未来を築けるように知って、そして考えてもらいたいですね。(みちんさんさん 30代・愛知県 女の子7歳、女の子5歳、女の子1歳)
【情報提供・絵本ナビ】