- 〈電気ショック〉の時代
-
ニューロモデュレーションの系譜
みすず書房
エドワード・ショーター デイヴィッド・ヒーリー 川島啓嗣 青木宣篤- 価格
- 6,380円(本体5,800円+税)
- 発行年月
- 2018年02月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784622086789
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価格:2,970円(本体2,700円+税)
【2023年08月発売】
[BOOKデータベースより]
“電気ショック”は精神疾患を治せるか?電気けいれん療法をはじめとする身体療法の開拓者たちの証言と膨大な資料から、「ショック療法」の虚像と実像を峻別する。
精神医学のペニシリン?
[日販商品データベースより]「統合失調症の経過における生物学的介入についての諸実験」
「電気で治る狂気」
大学病院から精神科病院へ―ショック療法は海を渡る
寝椅子か、治療台か?
「ECTはゾンビを作らず」
「脳を焼かれる!」
「ベドラム」の終焉と精神薬理学の時代
揺れる振り子―政治・法律・医療文化の変化がECTに与えた影響
エレクトロガールと新しいECT
磁気刺激と埋込型装置―新世紀の最新治療?
エピローグ―不合理な科学
「発見から70年経った今日、なぜ電気けいれん療法(ECT)が患者や多くの医師からひどい汚名を着せられているのだろうか? ECTはある意味において精神医学のペニシリンである」
19世紀後半に至るまで、精神科治療は鎮静に限られていた。1900年以降に精神薬理学の進歩が起こったのちも、症状の波に襲われているさなかの統合失調症とメランコリーの患者にとっては、医学は何の救いにもならなかった。家族は絶望し、カルテでは自殺のことが絶えず話題に上がった。
そんな失意の時代にあった精神科治療に光をもたらした「ショック療法」は、本当に非人道的で危険なだけの治療法なのだろうか? 本書はECTのみならず、その前史となるインスリン昏睡療法やメトラゾールけいれん療法、そして近年のニューロモデュレーションへと至る、精神科における身体療法の系譜を描くものである。
精神科治療においてECTの有効性が再評価されつつある今日、身体療法のパイオニアとなった医学者たちの足跡を追い、ショック療法がなぜこれほどまで忌避されてきたのか、その悲運の歴史を紐解く。
当事者たちの証言と膨大な文献・資料を渉猟し、互いに翻弄しあう20世紀の社会と精神医学界を描き切った、二人の医学史家による快著である。