[BOOKデータベースより]
作者名が明記される漢詩文や歌と異なり、物語は、作者とは別に設定された「語り手」が語ることが建前の、現実とは切り離された虚構的存在である。「作者」の存在そのものは直接には見えてこない。いわば物語自体が「幻想」を抱えている。また一方、老人を語り手に設定することで叙述そのものが相対化されて幻想は深まり、物語は自在性を獲得した。物語と作者、老者の語りを主題に、枕草子・源氏物語・寝覚物語を読み解いてきた著者の集大成!
1 枕草子(枕草子の跋文―「書きつく」という行為をめぐって;動態としての枕草子―本文と作者と ほか)
2 源氏物語(声をあげる老者たち―源氏物語をひらくもの;末摘花覚え書き―異文化の体現者として ほか)
3 寝覚物語(寝覚人物小考―原本・中村本の対比による;宇治十帖と寝覚物語―作者と読者の問題 ほか)
4 物語と作者(「鼻」を茹でる―今昔物語と芥川龍之介;六条斎院物語歌合―物語と作者の関係 ほか)
5 書評・紹介(鈴木一雄校注 新潮日本古典集成『狭衣物語』上・下;須山名保子編著『和泉式部集(正続)用語修辞総索引』 ほか)
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