- 道元「宝慶記」
-
全訳注
講談社学術文庫 2443
- 価格
- 1,441円(本体1,310円+税)
- 発行年月
- 2017年08月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784062924436
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[BOOKデータベースより]
「時に道元、感涙襟を沾す」。真の仏法を求めて入宋した若き僧は、天童山でついに最高の先達・如浄に巡り会った。燃えたぎるが如き情熱で重ねられる問を受けとめる師の喜び。積年の疑団が氷解し、正しい教えを得たと確信する弟子の感激。ここに一器の水が一器に一滴も余すことなく移されるように伝法は成った。八百年の時空を超えて伝わる求道の書!
拝問―“書簡”如浄禅師に随時参問を懇願する
[日販商品データベースより]拝問―教外別伝の真意とは何か
拝問―思慮分別を無視した払拳棒喝は正しいか
拝問―冷煖を自ら知ることは正覚か
拝問―初心修行者の心得とは何か
拝問―『楞厳経』と『円覚経』は仏祖の道か
拝問―三障(煩悩障・異熟障・業障)は仏祖の説か
拝問―因果の道理をどのように信ずべきか
拝問―長髪や長爪は僧侶ら風儀か
示誨―〓古貌あり、深山幽谷に居し、仏祖の聖胎を長養すべし〔ほか〕
『宝慶記』は、若き道元禅師(1200〜1253)が仏道を究めんと南宋に渡り、燃えたぎるような情熱をほとばらせて、正師たる長翁如浄禅師(1162〜1227)に拝問(古徳先哲に対して言葉や文章をもって丁重に質問すること)した求道の記録です。それはまた、道元の問いに真摯に答えた如浄という老古仏が、正伝の仏法である只管打坐の世界を道元に嗣続せしめんとした、まことに慈悲深い慈誨の記録でもあります。
道元は、南宋の宝慶元年(1225)5月1日から同三年(1227)の、おそらくは7月上旬、日本に帰国するために如浄の下を乞暇(禅林を下山するために暇を乞うこと)するまでの間、天童山の方丈で如浄に拝問したところと、それに対する師の慈誨とを、その都度記録しました。いわば、『宝慶記』は、道元が如浄に随身した「随聞記」であり、日中の枠を超越した師弟の問答が、阿吽の呼吸の中に展開されているのです。
対話という性格上、『宝慶記』には道元の肉声がより強く響きわたっています。修行とはなにか、仏法とはなにかについて具体的な内容となっています。古来、中国に渡った日本僧たちの記録は多くありますが、真実の仏法を求め、これほど師と弟子の間で目の当たりに相対して(これを面授といいます)真剣に交わされた記録はありません。道元の数ある著作のなかで、われわれ凡夫にとってもっとも親しみやすいのが本書です。大谷氏の精緻な訳注で、八百年の時空を超え禅の奥義が伝わってきます。