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[BOOKデータベースより]
「世紀転換期アメリカ」の多文化性が鮮やかに浮かび上がる―南北戦争の混乱を経て、急激な変化を遂げたアメリカ。多くの社会矛盾を抱えるなか、アフリカ系、先住民系、移民出身等、多彩な書き手たちが次々と現われていた。11人の作家によるテクストを多層的に分析、20世紀後半の「多文化主義」の萌芽をみる。
第1部 他者を捉える―都市と農村のルポルタージュ(写真と言葉で描かれた都市―ジェイコブ・A.リース『向こう側にいる人々の暮らし』;豊かさの向こう側―スティーヴン・クレイン『街の女マギー』;“車窓の社会学者”に抗して―W.E.B.デュボイス『黒人のたましい』)
[日販商品データベースより]第2部 自己を表わす―マイノリティ文学の私語り(死の影の谷を抜けて―W.E.B.デュボイス『黒人のたましい』2;赤い鳥のビーズ細工―ジトカラ=シャ『アメリカ・インディアンの物語』;奇跡の人の文学―ヘレン・ケラー『私の人生の物語』)
第3部 物語る―エスニック・ロマンスの主張(歴史のトラウマを書く―アリス・キャラハン『ワイネマ‐森の子供』;融けきらない移民たち―エイブラハム・カーハン『イェクル』;トランスパシフィックの物語学―スイシンファー「スプリング・フラグランス夫人」その他の短編)
第4部 過去を振り返る―世紀転換期の小説と奴隷制(“人種”のメロドラマ―フランシス・E.W.ハーパー『アイオラ・リロイ』;“人種”から“人類”へ―チャールズ・W.チェスナット『杉に隠れた家』;アメリカの始まりに目を凝らして―マーク・トウェイン『それはどっちだったか』、「インディアンタウン」)
19世紀末〜20世紀初頭の「世紀転換期」のアメリカ。
文学史では、「リアリズム」と「自然主義」という
二つの潮流で特徴づけられる時代だが、
南北戦争(1861〜65)の混乱を経て、
社会が急激な変化を遂げるなか、
アフリカ系、先住民系、移民出身の作家等、
多彩なバックグラウンドをもった書き手たちが次々と現われていた。
11名の書き手による代表的なテクストを、
人種・エスニシティ、階級、ジェンダーといった
多層的な観点から分析、
「世紀転換期アメリカ」の多文化的様相を立体的に検討し、
20世紀後半の「多文化主義」文学の萌芽をみる。