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[BOOKデータベースより]
精神分析はいま、どう理解し、心理療法の現場でどのように用いていけばよいのだろうか?実証研究の不足、男性中心主義の限界…豊富な臨床経験から“伝統”を再考し、精神分析を描きなおす。
第1章 精神分析学の発展と批判(フロイトの生涯;フロイトとユングとシュピールライン ほか)
[日販商品データベースより]第2章 心の構造と機能(エス;自我 ほか)
第3章 精神分析的に見る人間の発達(E.H.エリクソンの貢献と限界;男性中心主義への批判)
第4章 心理療法における見立てと精神分析(心理療法における二つのモデル;クライエントにとって信頼できる治療者―クライエント中心療法とアタッチメント理論の視点から ほか)
第5章 心理療法の営みと精神分析(自由を得る営みとしての心理療法;転移‐逆転移関係と治療空間の閉鎖性 ほか)
フロイトが精神分析を創始してから100年以上の時がすぎ、行動科学に基づいた心理療法が盛んになったいま、精神分析はもはや「過去の遺物」なのだろうか?
著者はクライエント中心療法の訓練を受けて心理療法家としての道を歩みはじめ、精神分析を学び、さらにアタッチメント理論に基づく心理療法へと活躍の場を広げてきた。本書は、長年にわたり多様なスタイルで心理療法を行ってきた著者が、精神分析がいかに心の理解に役立つのかを詳説するものである。
飛躍的に進歩する発達理論、実証研究の不足、男性中心主義の限界……。伝統的な精神分析の考え方を豊富な臨床経験を基に再考し、ときに不要なものは切り捨て、描きなおしてゆく。精神分析理論を細部まで再点検していく筆致は、これまで精神分析を敬遠してきた臨床家にも理解しやすく、心への新たな接近法を示すだろう。
心の専門家に本当に必要なものとは何か。精神分析理論を見つめる著者のまなざしは、心という形なきものを探求しつづける心理療法家としての矜持に満ちている。