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[BOOKデータベースより]
第1章 2015年「不適切会計」と「第三者委員会」
[日販商品データベースより]第2章 1925年明治・大正期の会計士運動と社会的背景
第3章 1950年GHQのディスクロージャー制度設計
第4章 1970年証券取引法会計学と公認会計士監査論の劣位性
第5章 企業不正事件に対する米国大統領の素早い対応
第6章 イギリス会計専門職の自立性と自律性
第7章 会計監査の本質の再確認
わが国における監査論という学問の研究・教育の領域が、現在、金融商品取引法に基づく財務諸表の監査を主要な対象としていることは改めて言うまでもない。この公認会計士による財務諸表監査こそが、法廷監査としてすでに半世紀以上の長きにわたって制度化されるとともに、日本社会に幅広く受け入れられて定着している職業的専門家による外部監査の典型に他ならないからである。金融商品市場の円滑な運営にとって、会計士監査は欠くことのできない構成要素であり、同法第1条に「企業内容等の開示の制度を整備する(中略)こと等により(注略)国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする」と明記されているように、わが国の経済社会を支える重要な役割を担っているのである。
このような厳然たる事実があるにも拘らず、著者は「研究上、重要な問題を見落としているのではないか」との思いを禁じ得ない。
その一つは、金融商品の取引それ自体に関するものである。1980-90年代に各国政府が金融商品の保有を普及させようとしたのは、株式市場に一般市民の資本が豊富に流入することがイノベーションを生み、そのことが自国の国際競争力の増強につながると信じられていたとの指摘がある一方、わが国においては、いわゆるバブル崩壊以降のデフレ期間において株式市場の低調さが一貫して目立っており、現在では東京証券取引所での株式売買額の70%は外国人によると言われるほど外国人投資家の比率が高まっているという現実がある。言い換えれば、日本人個人投資家の比率の低いわが国の直接金融市場だけを学問の領域としていて良いのだろうか、という疑問が拭いきれないのである。公認会計士は、直接金融市場以外の領域で会計監査と関わりを持ってもいいのではないだろうか。
もう一つは、公認会計士という専門的職業そのものに関するものである。著者が1990年から2年間在外研究期間で過ごしたイギリスはアカウンタビリティの考え方が社会の隅々まで浸透している国であった。そこで著者は「会計士監査はイギリス社会を支える重要なビルトイン・システムであるが、決して直接金融市場における上場会社の法廷監査だけをそのテリトリーとしているのではない」という現実を目の当たりにした。この経験が日本の公認会計士の業務との対比でしばしば頭をもたげるのである。
本書は、この二つの論点を軸にして書かれている。