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[BOOKデータベースより]
世界が可視化され広がりをみせていく近世日本、新たな「他者」との邂逅は「日本」という自己認識を形成・変容させていった。「武」の記憶、書物のネットワーク、藩による修史事業、ナショナリズム的想像力、「近代国家」を志向する語りの諸相―五つの視点から、自己と他者をめぐる言説が記憶となり、語られていく様相を捉え、近世そして近代日本の世界観・思考のありかたを照らし出す。
第1部 「武」の記憶のナルシシズム(朝鮮観の変転―近世の歴史叙述と対外認識を論ずるために;写本軍書類に見る朝鮮出兵時の立花宗茂と小早川隆景―語り継がれる「碧蹄館の戦い」の記憶 ほか)
[日販商品データベースより]第2部 書物のネットワークが生み出す世界観(室鳩巣『赤穂義人録』論―その徴意と対外意識;“異国襲来”の原像―塙保己一『螢蝿抄』から ほか)
第3部 藩という武家「国家」の修史事業(松浦静山のみた境界と「属地」―普陀山をめぐる考証から;大名文庫形成試論―大名はなぜ古典籍を集めたのか ほか)
第4部 ナショナリズム的想像力の誤読(国学者の歴史認識と対外意識―本居宣長『馭戎慨言』をめぐって;『日本外史』の執筆意図と誤読 ほか)
第5部 近代日本国家の言説の諸相へ(近世の考証的学問から近代国学へ;一八七四年の「台湾危機」―「回避した戦争」をめぐる諸言説について ほか)
「武」の記憶、藩による修史事業、「近代国家」を志向する語りの諸相…。5つの視点から、自己と他者をめぐる言説が記憶となり、語られていく様相を捉え、近世そして近代日本の世界観・思考のありかたを照らし出す。