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[BOOKデータベースより]
巻物や冊子といった書物の装訂や形態にはヒエラルキーがあり、書物とそこに保存されるテキストには相関関係がある。また書物に保存されているのはテキストのみではなく、書物とテキストにまつわる様々な情報も秘められているのである。そうした相関性や情報を把握した上で、作品を具体的に読み解く必要がある。既存の文学研究では明らかにできなかった事柄を、書誌学的な「読み」によって示す、古くて新しい書誌学の具体的活用法!
序編
[日販商品データベースより]第1編 巻子装と冊子本(冊子本の外題位置をめぐって;絵巻物と絵草子―挿絵と装訂の関係について)
第2編 巻子装と歌書・連歌書(勅撰和歌集と巻子装;勅撰和歌集の面影―『新撰菟玖波集』の巻子装本をめぐって;巻子装であること―早稲田大学図書館蔵『新撰菟玖波集(政弘句抄出)』をめぐって)
第3編 源氏物語と書誌学(「大島本源氏物語」の書誌学的研究;二つの「定家本源氏物語」の再検討―「大島本」という窓から二種の奥入に及ぶ;「大島本源氏物語」続考―「関屋」冊奥書をめぐって)
第4編 平家物語と書誌学(書物としての平家物語;巻子装の平家物語―「長門切」についての書誌学的考察;「屋代本平家物語」の書誌学的再検討)
第5編 古典文学と書誌学(定家本としての枕草子;書物としての『枕草子抜書』;書物としての歴史物語;室町期東国武士が書写した八代集―韓国国立中央図書館蔵・雲岑筆『古今和歌集』をめぐって;長門二宮忌宮大宮司竹中家の文芸―未詳家集断簡から見えてくるもの)
書誌学は、文学作品を読み解く上で何の役に立つのか。
巻物や冊子といった書物の装訂や形態にはヒエラルキーがあり、書物とそこに保存されるテキストには相関関係がある。また書物に保存されているのはテキストのみではなく、書物とテキストにまつわる様々な情報も秘められているのである。そうした相関性や情報を把握した上で、作品を具体的に読み解く必要がある。
既存の文学研究では明らかにできなかった事柄を、書誌学的な「読み」によって示す、古くて新しい書誌学の具体的活用法!
【本書にまとめた論文は、「書誌学研究は文学研究において何の役に立つのか」という、世に珍しい書誌学の研究所に所属し、古典籍に囲まれながら書誌学の講義を二十年続けてきた自分にとっての、大きな命題に対する答えとして書いてきたものである。……書誌学は文学研究の基礎を固める学問である、これを疎かにした研究を行うと永遠に真実に辿り着けないのである。既存の文学研究に何が足りなかったのか、そのことを考えることが、書誌学を役立たせる方法をはっきりと教えてくれたのである。】……「あとがき」より
【……内容を深く検討するためには、まずその本文の器たる書物の書誌的な情報を抽出し、それを活かしてその本文の性格や価値を確定した上で、研究に用いるように心掛けることが大切であることを明らかにできたものと確信する。これを行うことによって、誤りが少ないより本格的で深い研究が可能となるのである。……基礎的にして即物的でもあるこの研究方法の有効性は、考察を重ねても揺らぐことはないはずである。】……「おわりに−−本書で明らかにしたこと」より