[BOOKデータベースより]
私が見たり聞いたりしているこれは、本当に世界そのものなのだろうか。かつては誰も見通すことができなかった、知覚し感覚するという経験を解き明かす、思考のドキュメント。ついに、世界と心ある他者に出会えた。哲学はここまで来た!眺望論の完成、そして相貌論の一歩先へ。
1 問題(漠然とした問題;素朴実在論の困難;二元論の困難;一元論の困難;他人の心という難問)
2 理論(知覚の眺望構造;感覚の眺望構造;知覚的眺望と感覚的眺望;相貌と物語)
3 解答(素朴実在論への還帰;脳神話との訣別;他我問題への解答)
私が見たり聞いたりしているこれは、本当に世界そのものなのだろうか。かつては誰も見通すことができなかった、知覚し感覚するという経験を解き明かす、思考のドキュメント。著者は、こうして、ついに世界と心ある他者に出会えた!
哲学には、いくつか、根本的な大問題があります。たとえば、他我問題。他者は本当に存在するのだろうか。すべては、私の脳に映し出された像にすぎないのではないか。そんなことはない、といいたいところですが、歴史的に、さまざまに論じられながら、解決したとは言えません。すべては、あなたの脳の中に映じていることだ、という主張に対して、結局、有力な反論はだせないのです。
あるいは、あなたは、他人の痛みを感じることができるでしょうか。他人が腹痛を訴えているとして、その痛みが本当にあるのか、あなたにはついにわからないのではないか。これまた、哲学史上の有名な難問です。
目の前にリンゴがある。あなたがそれを知覚しているから、あると言える。哲学史上有名なジョージ・バークリの名言によれば、「存在するとは知覚されることである」。とすれば、リンゴのある部屋から誰もいなくなれば、リンゴは存在しなくなる。
そんバカな、といっても、論理的に反論するのは、きわめて難しい。
このような哲学の難問にたいして、著者は、まっこうから、いや、リンゴはあるんだ 、という哲学的立場を確立しようとします。
素朴実在論という立場です。
古来重ねられてきた哲学的議論をふまえつつ、さまざまな反論にさらされてきた「素朴実在論」を、周到かつ明解な
議論でうちたてる、著者渾身の代表作です。
好評を博した快著『哲学な日々』の理論編ともいえる力作。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 子どもの難問
-
価格:1,430円(本体1,300円+税)
【2013年11月発売】
- 心と他者
-
価格:943円(本体857円+税)
【2012年11月発売】
- 哲学・航海日誌 増補改訂版
-
価格:2,970円(本体2,700円+税)
【2024年01月発売】
他者は実在するのだろうか。目の前の木やリンゴは本当に存在するのか。哲学の究極の難問に挑み、「実在する」との結論を導く大力作!